CPU内蔵グラフィック(iGPU)とローエンドグラフィックボード(dGPU)のパフォーマンス比較

近年のintel CPUに組み込まれている内蔵グラフィック(intel HDシリーズ)のパフォーマンスの向上は目覚ましい。本格的な最新3Dゲームを遊ぶにはグラフィックボードの増設が必要だが、一昔前のゲームや負荷の軽いオンラインゲーム程度ならCPU内蔵グラフィックで十分とされている。そこで数千円~1万円程度で購入できるロープロファイル対応のローエンドクラスのグラフィックボードと内蔵GPUのパフォーマンスを比較してみた。intel HDでどこまで戦えるのだろうか

世代毎に急激に向上しているintel CPU内蔵グラフィック性能

intel の内蔵GPUは当初はパフォーマンスの評判の良くなかった。しかし世代を重ねる事に急速に性能を向上させており、近年の内蔵グラフィック性能は簡単な3Dゲーム程度なら処理できるようになっている。勿論最新のグラフィックボードと比較すると数倍の性能差があるが、一昔前のグラフィックボードであれば差も縮まってきた。

*第4世代の性能向上のアピールグラフ。この時点で数年前の数十倍に達している事が確認できる。もちろん現在の最新である第7世代のKabylakeのintelHDシリーズは更に性能向上している。

最新のCPU内蔵GPUであればPS3時代のマルチ対応ゲームくらいなら内蔵GPUでもオプション調整で動作可能なレベルまで来ている。軽量なオンライン3Dゲームも設定次第ではプレイ可能だ。

エンコード速度の加速などゲーム以外の用途でも利用できるiGPU

昨今のiGPUはゲームに必要な3D性能以外にも、動画エンコード処理をハードウェアで実行するクイックシンクビデオ(QSV)機能も活用されている。ソフトウェアでエンコードするより画質は若干劣るが、数倍の速度で完了するため動画の用途によっては十分だ。

ゲーム性能を求めない一般作業用PCでも内蔵GPU性能を重要視する傾向も強くなってきている。

ロークラスレベルのグラフィックボードでもPS4以上の性能に達する最新dGPU

3Dゲームを高フレーム・高画質でプレイするには数万円するミドルレンジ以上のグラフィックボードが必要だ。しかしPS4同等の30FPS前後のフレームレート+中設定画質であればローエンドクラスのボードで十分プレイ可能だ。特にPascal世代のGPUはロークラスのGTX1050TiでもPS4以上の性能に達している。

またFF14やPSO2、モンハン等のオンラインゲームであれば、そこまで高いグラフィックボードが必要でない場合も多いだろう。そこで今回はiGPUと競合する低価格なロークラス・ロープロファイル対応のグラフィックボードと内臓CPUを比較している。

*第二世代のCore iシリーズ搭載の中古パソコンが数千円で出回り始めておりセカンド、サードPCに丁度良い。ロープロファイル対応のグラフィックボードであれば、メーカー製PCや格安なコンパクトPCケースでも収まる

非常に多くの型番が混在するiGPUとリネームでカオスなローエンドdGPU

主なCPUに実装されているIntel HD一覧

intel のCPU内蔵グラフィックはintel HDシリーズとして展開されているが、各世代毎に多くのバリエーションが混在しているため全てを網羅すると膨大な数になってしまう。以下に各世代の代表的なCPUに搭載されているintel HDシリーズを抜粋して比較した。(世代内のバリエーションでも多少の性能差はあるが、全体で見ると小さい。)メジャーどころのCPU搭載intel HDの型番は以下のとおり。

リネームが繰り返されるGTシリーズ

nVidiaのローエンドクラスのグラフィックボードのチップ名称も各世代でリネームが繰り返されており、非常にカオスな状態だ。

GT7**とGT6**はFermil世代とKepler世代が入り混じっており、モデルナンバーが同じでも消費電力と性能に違いがある点は留意しておいた方が良いだろう。基本的に40mmのFermil世代と比べると28mmのKepler世代のGPUの方が低消費電力・高性能だ。

3世代に渡るGTシリーズのリネーム


CPU内蔵グラフィック Intel HDシリーズとGeForceシリーズの性能比較

主なiGPUとdGPUの比較グラフ

以下がIntel HDシリーズとロープロファイルに対応したローエンドクラスのGeforceシリーズのパフォーマンス比較グラフである。前半のオレンジがIntel HD中盤のブルーがロークラスのGeforceになっている。各世代のGPUとの性能イメージが出来るように、後半にピンクでハイエンドクラスのGeforceも掲載している。

ローエンドdGPUに匹敵する最新iGPUのintel HD630の性能

第2世代「Sandybridge」のCPUであるに実装されている「intel HD2000」や「intel HD3000」は流石に性能面では見劣りする。しかし最新CPUの「Kabylake世代」の内蔵GPUである「intel HD630」の性能は「Geforoce GT730」に搭載されているFermil,Kepler世代のローエンドビデオボードより高いパフォーマンスを期待できる。

Intel HD630搭載の最安価CPUはPentium G4600

高い性能を誇るIntel HD630はグラフィックボードを用いない構成ではベストチョイスだKabylake世代のCore i5やCore i7シリーズでは比較的下位のモデルでも搭載しているが、Pentium G以下になるとIntel HD630とHD610が混在してくるので注意が必要だ。

今のところ最も安価なIntel HD630搭載CPUはPentium G4600となっている。KabylakeのPentiumGは2コア4スレッドとスレッド数が倍増したため、結構お得感がある。

GT1030の登場でローエンドGPU市場に大きな変化が

長らく停滞していたローエンドGPU市場だが最新のPascalアーキテクチャによるGeforce GT 1030の登場によって選択肢に大きな変化が現れそうだ。以下はIntel HD530との性能比較グラフ。(消費電力やフレームレートなど詳細な内容は製品レビュー記事に記載)

グラボを追加搭載するなら最低でもGTX750ti、GT 1030,できればGTX1050クラスが欲しい

最近のintel HDの性能がそこそこ高いため、GT710やGT630といったFermil,Kepler世代のローエンドグラフィックボードの増設では3D性能の大きな向上は期待できない。Skylake、Kabylake世代のCPU内蔵GPUはそれらより高いため、逆に性能が落ちる有様だ。グラフィックボードを増設するならGeforce GTX750以上が欲しいところだ。市場的にはGTX750とGTX750Tiは流通価格に差がないため、下限はGT1030~GTX750Tiになるだろう。GT1030やGTX750Tiはロープロファイル版も安価に流通しており手が出しやすい。

GT740もSandybridge,Ivybridegeからの増設で、目的の3Dゲームが明確であれば射程に入るかもしれないが、市場の流通量も少なく価格も余り安くない。安い中古品が手に入れば・・といった所だろう。

1万~1万5千円程度の予算が可能であればPascal世代のロークラスGTX1050が視野に入る。性能的にもGTX1050Ti比で90%ほどであり、最新のゲームでもグラフィックオプションさえ調整すればプレイ可能なクラスだ。勿論GTX1050Tiも価格が落ち着けば十分検討に値するだろう。

GTX1050Tiクラスであれば設定を適切にセッティングすればPS4より高いフレームレートで遊べる格安ゲームマシンが出来上がる。PS3時代のマルチゲームであれば高画質で60FPSでプレイ可能だ。Sandybridge世代のPCであれば数千円で入手する事もできる。古いPCにロープロファイル版のGTX1050Tiを載せてSteamセールで安く購入できるゲームを堪能するのも悪くない。

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