オーバークロックに対応したCore i3 7350Kのベンチマークとゲーミング性能

Kabylake世代の大きなトピックとなるOC対応の「Core i3 7350K」。Core i3シリーズでは初めてのオーバークロック対応モデルということで期待度も高い。2コア4スレッドでは最速となるCore i3 7350KはゲーミングPCとして高いコストパフォーマンスを発揮できるのだろうか。今回はKabylake期待の星、Core i3 7350Kの性能を探ってみた。

Core i3初の倍率ロックフリーモデル

・基本スペック

Core i3 7350KはCore i3シリーズとしては初のオーバークロックに対応した倍率ロックフリーモデルだ。Kabylake世代でPentium G4560,G4600,G4620が4コア4スレッド化になった事が記憶に新しい。幾つかの拡張命令の違いはあるがスレッド数でCore i3とPentiumGは並んでいる。しかし、今回のK付きモデルの追加でクロック以外にも差別化が図られている。

Core i3-7350Kクロック周波数は定格4.2Ghzとなっており、OCによって更なるシングルスレッド性能の向上が可能だ。2コア4スレッドのCPUでは最速となる事が期待される。少し古めのゲームやCPUを複数ヘビーに酷使しないゲームにおいてはクロック周波数がフレームレートに与える影響は大きい。オーバークロックによって高いクロック周波数が可能なCore i3 7350KはゲーミングPCとしての性能はどの程度発揮するのだろうか。

*近年のゲームは複数のCPUスレッドを有効利用しつつあり、物理2コアの影響は懸念される

・価格

価格的にはCore i3にしては高価でSkylakeのCore i5に迫っている。Kabylake世代で注目されている安価なPentiumG4560との差は大きく、競合するのはSkylake世代のCore i5クラスといったところだ。またK付きのパフォーマンスを引き出すにはZシリーズのマザーと高い冷却能力をもったCPUクーラーが必要になるため、システム全体でも高く付くことになりそうだ。

   

Kabylake,Skylake世代のCPUのパフォーマンス比較

Kabylake,Skylake世代の主たるCPUとの性能比較が以下。高いシングルスレッド性能は光るものの、マルチスレッド性能では価格的に競合するCore i5 6400に肉薄しているが、未だ追いついてない。定格ベースで見るとスペックどおりといった性能になっている。しかしCore i3 7350Kはオーバークロックモデルだ。冷却性能次第ではベンチマーク上では価格の近い上位CPUを上回る事はできそうな差だ。

Core i3 7350Kのオーバークロック時のベンチマーク性能

定格では数値どおりといったところで、高い価格に見合う性能ではなさそうだ。ではCore i3 7350Kのオーバークロック能力はどの程度なのだろうか。以下がCinebench R15によるオーバクロック時のパフォーマンスだ。

Core i3 7350Kを4.2Ghz → 4.8GhzまでオーバークロックするとSkylakeの上位CPUの最低型番である定格2.7GhzのCore i5 6400にギリギリ勝てる程度になる。しかしKabylake世代上位CPUであるCore i5 7600やCore i7 7700との差は大きく、オーバークロック程度では定格でも全く背中が見えてこないと言ったところだ。シングルスレッド性能はCore i7 7700Kの定格を上回っている。

Core i3 7350Kのオーバークロック時のゲーミング性能

以下グラフが同グラフィックボードを利用時の各CPUのパフォーマンス比較。最近のゲーム動作では2コアの影響が色濃く出ており、Core i3 7350Kの定格では安価なCore i5シリーズのCore i5 6400(定格2.7Ghz)に負けてしまうケースが多い様だ。4.8Ghzまでオーバークロックする事で勝ったり負けたりといった具合だ。最新のゲームでは複数のスレッドを有効利用しているため、物理コア4つとターボ機能で「クロック周波数の差」と「アーキテクチャの差」が吸収されてしまっている様に見える。

もう少し高いオーバークロックやGPUの条件が整えばスコアの上昇は期待できそうだが、前世代のCore i5の下位機種と張り合う程度が限界に見える。また同世代のCore i5 7500やCore i5 7600と比較すると大きく劣ったフレームレートになる。コスト的にもシステム一式が高くなるため分が悪い。

設計が古いゲームや性能の低いグラフィックボードであればシングルクロック性能と高い周波数のアドバンテージが出るかもしれないが、最新のCPUで古いゲームとGPUでプレイする意味も少なく、現時点では積極的にシステム一式価格が高くなるCorei3 7350Kをゲーム用に選択する必要性は少ないように見える。

高いシングルスレッドが光るも、今のところはオーバークロックを楽しむ専用か

現時点ではCorei3 7350Kの価格は高く推移しており、更にZ270のマザーボードやOCメモリ、高冷却能力CPUクーラーなどを揃えていくとシステム価格も跳ね上がりそうだ。競合するCPUはH170などで構成するKなしCore i5になるため、全体の価格ではCorei3 7350K一式のほうが高くなる可能性も有り得る。

パフォーマンスもマルチスレッド性能で上位を食うほどのOCは期待できない。古い設計のオンラインゲームやシングルスレッドによる高いベンチマークの値でオーバークロック事態を楽しむためのモデルといったところだろうか。しかし高価なシステムでOCを楽しむ層はCore i7で一定の需要は満たしているとも思われ、現時点ではターゲットが不明確に感じる。

価格が低下し、安価にSkylake世代のCore i5相当の性能を手に入れつつ、最高クラスのシングルスレッドを活用できる環境があれば、もう少し光るCPUになれるかもしれない。

格安ゲーミングPC構成例

・関連記事

Pentium G4560で組む格安ゲーミングPCに適切なグラフィックボード
Pentium G4560で組む格安ゲーミングPCに適切なグラフィックボード
Kabylake世代から2コア4スレッド化と大きく飛躍したPentiumGシリーズ。Pentium G4560は早くも市場価格も60...
CPU内蔵グラフィック(iGPU)とローエンドグラフィックボード(dGPU)のパフォーマンス比較
CPU内蔵グラフィック(iGPU)とローエンドグラフィックボード(dGPU)のパフォーマンス比較
近年のintel CPUに組み込まれている内蔵グラフィック(intel HDシリーズ)のパフォーマンスの向上は目覚ましい。本格的な最新3Dゲ...
低クロックCPU 「Core i5 6400」はゲーミングPCとして耐えうるのか
低クロックCPU 「Core i5 6400」はゲーミングPCとして耐えうるのか
格安ゲーミングPCに良く利用されているCore i5 6400。Kabylake世代が販売されても在庫が豊富なのか処分価格で店頭やネ...

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加