2019年も「Geforce GTX 780」で乗り切る。5年目のハイエンドを最新GPUと比較レビュー

2013年に発売された「Geforce GTX780」は第2世代Keplerアーキテクチャを採用したハイエンドGPUだ。すでに3世代前のグラフィックボードとなるが、市場のゲームの多くが「PS4」,「XboxOne」のマルチタイトルという事もあり、未だ現役の性能を誇る。今回は5年目のハイエンドとなるGTX780を最新GPUと比較しながらレビューしていく。「GTX780」で2019年を乗り切る事ができるのだろうか。

「NVIDIA Geforce GTX780」の仕様

「TITAN」と同じコアを持つ普及版ハイエンド

「GTX780」は2013年5月に発売された第2世代「Kepler」アーキテクチャのハイエンドクラスGPUとなる。2013年2月に投入された「GeForce GTX TITAN」と同じコア「GK110」からスペックを若干カットし、倍精度演算のフルスピードモードを無効化、メモリ容量を半減させた仕様だ。

製造プロセスはGTX600シリーズの28nmのままで、スーパーコンピューター用に用意された「Tesla K20X」から派生したGK110コアをスライドさせた事もあり、消費電力はGTX680比で大幅に増えている。80番代の冠をつけた「Geforce GTX780」だが、その中身は他の80番代GPUの素性と随分様子が違う。

高価格なRTXシリーズの登場

2年以上の沈黙の後に投入された最新GPUのRTXシリーズは従来より価格が大幅に値上がりし、性能の向上も鈍化している。RTX2080Tiは16~18万円前後、RTX2080も10~12万円前後とMaxell、Pascalをスキップし、新GPUへの乗り換えを計画していた自作ユーザーの心を折るには十分な価格となった。

RTXシリーズの性能向上が鈍化した影響と、昨年のマイニングブームの余韻もあり、1世代前となるPascal世代のGPUも大きな値下がりはなく、このまま終息しそうだ。GTX780は中古価格は1万~1万5千円程度で、ワットパフォーマンスの都合でマイニングで酷使される事もなく比較的状態が良い商品も少なくない。

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外観・形状の特徴

「MSI N780GTX Lightning」レビュー

 今回レビューに用いるグラフィックボードはMSIの最高峰モデル「N780GTX Lightning」。当時10万円前後で発売されていたGTX780モデルでも最強クラスのウルトラハイエンドとなるが、現在は中古品で10分の1近い価格で入手できる。


MSI N780GTX Lightning(amazon) 

インターフェース形状:PCI Express3.0 x16
コアクロック:980MHz(ベース)1,033MHz(ブースト)
メモリクロック:6008MHz
ビデオメモリ:GDDR5 3GB
映像出力:HDMI /Displayport / DVI-I×2
補助電源コネクタ: 8ピン×2
専有PCIスロット:3スロット


3スロット・3連クーラー仕様という事もあり、外観は迫力ある。ライトニングという事で前モデルから続いてイエローカラーが配されており、GTX980Tiモデル等にも継承された。

ヒートシンクはパーツ形状に合わせて形状が調整されており、ギリギリ3スロット厚になってしまった具合だ。ヒートシンクは銅製で7本のヒートパイプが貫いており、強力に冷却する。

GPUのバックプレート裏には「GPU Reactor」と称される部品が配置されている。ノイズを軽減させ、電圧を安定させるらしい。

サイズ比較

GTX780のリファレンスモデルとの比較。29.5cm×12.86cm×5.135cmという事で大幅に巨大化している事が確認できる。横幅も広いのでスリムタイプのミドルタワーでは補助電源がサイドパネルに干渉するかもしれない。

映像端子構成

この頃の映像端子は未だDVI端子が2基配置されている。それ以外はDispayPortに加えてHDMIなど、現行機と大差はない。GTX780はDisplayPort 1.2をサポートしており、4K60Hzの表示も可能だ。

GPUクーラー

GPUファンは「TriFrozr」と呼ばれる巨大3連ファン。起動時はホコリを吹き飛ばす動作を取り入れており、5年前のGPUながらも比較的きれいな状態を保っている。

補助電源・バックプレート

OCモデルという事で補助電源は8ピン×2とリファレンスより更に強化。BIOSはデュアル仕様でOCモードと切り替えられる。

ゲーム系ベンチマーク

では「Geforce GTX 780」のゲーム系ベンチマークを見ていこう。5年を経たハイエンドモデルは2019年でも実用的な性能を維持できるのだろうか

3DMARK  Time Spy

DirectX12のゲーミング性能の指標となる「TimeSpy」。GTX780は最新エントリークラスのGTX1050Tiは圧倒しており、ミドルクラスの「GTX1060」に届きそうな勢いだ。DirectX12環境下でもMaxwell世代のヒットGPU「GTX970」と同等クラスのパフォーマンスを発揮している。

3DMARK Firestrike FullHD

現行のPCゲームの大半が対応するDirectX11の性能指標となる「FireStrike」。こちらも「GTX1060」に迫る性能を発揮しており、現行のエントリーレンジGPUクラスは相手にならない。GTX780は現在の主流となるゲームでも設定を調整すれば遊べる事が示唆されている。

FF14ベンチマーク 紅蓮の解放者

少し古いPS3世代のゲーミング性能の指標となるFF14ベンチ。GTX780は1万スコア超えでフルHD環境化であれば最高画質で高フレームレートを維持して快適に遊べる事が期待できる。ここではライバルAMDの最新ミドルレンジ「Radeon RX570」を凌駕している。

4Kでも最高画質で「やや快適」判定を得ており、グラフィックオプションを調整する事で高解像度ゲーミングも視野に入ってくる事が伺える。

国産ライト ネットゲーム ベンチマーク

ここからは国内ネットゲームのベンチマークを見ていく。尚このクラスのゲームの場合、負荷が軽すぎてスコアが飽和気味だ。純粋なGPU性能というより、これらのゲーム動作を図る指標程度に捉えておいた方が良いだろう。

ドラゴンクエストX ベンチマーク FullHD最高画質

ドラクエ10ベンチはフルHDではGPU負荷が低すぎて、GTX1050Ti程度でスコアは飽和する。GTX780も飽和点に達しており、十分以上の性能を確保している事がわかる。

4Kでは古いGPUの特性が出るのか、最新ミドルレンジGTX1060を凌駕している。ライバルのAMDミドルレンジのRadeon RX 580と良い勝負を演じており、このクラスのオンラインゲームであれば4Kでも十分快適に遊べる事がわかる。

ファンタシースターオンライン2 設定6フルHD ベンチマーク

古いGPUとRadeonに厳しいPSOベンチ。GTX780も他ベンチマークと比較すると伸び率は少し鈍いが、最新エントリーのGTX1050Tiと比較すると大きな差をつけた。このパフォーマンスがあれば、さらなる高解像度ゲーミングが期待できる。

GPGPUベンチマーク

動画や3Dなどクリエイティブソフトで用いられるGPGPU性能を図る「CompBench2.0」。なぜかスコアが振るわなかった同じKeplerアーキテクチャのGTX680と比較すると、GTX780はスペックどおりのパフォーマンスを発揮してくれた。

VRベンチマーク

VRMark

VRベンチマークではGTX780はギリギリ5000ポイントを突破し、Oculus Riftの動作水準に達している。補完機能をフルに活用する事になるが、軽量なVRであれば何とか体験可能な性能を持っているようだ。

Steam VR pefomance Test

SteamVRの性能指標となるベンチマーク。安定動作が見込める「レディ」にはギリギリ到達していない。90FPS以下のフレームが0%であることから、SteamVRでも最適化されたタイトルであれば1部のタイトルでプレイできそうだ。

実際のゲームプレイ時のFPS比較・ゲーム性能

ここからは実際のゲーミングでの動作を見ていく。最新のプレイステーション4・XboxOne世代のフルHDゲーミング性能と、数年前のPS3・Xbox360世代のフルHDゲームのFPSを計測してみた。

5年目のハイエンドとなるGTX780はどの程度ゲーミングが可能なのだろうか。

*RX580=8GB、RX570=4GB、RX560=4GB

PS4・XboxOne世代のゲーム:1920×1080

Witcher3 (ウィッチャー3)


最高画質フルHDという設定でもGTX780は平均で50FPSを超える値を示しており、GTX1050TiやRX560を圧倒するパフォーマンスを発揮している。極端に重いグラフィックオプションを微調整すれば、品質を維持したまま60FPS安定も不可能ではなさそうだ。GTX680がVRAM2GBでボトルネックになっているのに対して、3GBのGTX780はフレームレートの落ち込みは見られない。

For Hornar (フォーオナー)

GTX780はGTX1060と大差ないフレームレートを維持しており、フルHD最高画質で60フレーム付近のプレイを期待できる。設定を調整することでPvPも十分快適に楽しむ事が可能だ。発売当初は評判も低かったタイトルだが、継続的なアップデートで評価も上がりつつある。

DarkSouls3(ダークソウル3)

60フレームが上限となるダークソウル3。フルHD最高画質でGTX780は、ほぼ60フレームを維持しており、必要十分な性能を確保している事が確認できる。設定次第ではWQHDも狙えそうな雰囲気だ。VRAM2GBのビデオカードのフレームレートが落ち込んでいる事を踏まえると3GBという容量はギリギリセーフの様だ。

Batman Arkm Knight (バットマン アーカム・ナイト)

PS4世代でも比較的初期タイトルとなるバットマン アーカムナイト。ここではGTX780は若干フレームレートが伸び悩み、GTX1060より15~20フレームほど低い。とはいえ、平均でも70フレーム超と十分以上のパフォーマンスを示しており、高画質で快適に遊ぶ事ができる。

PS3、Xbox360世代のFull HDゲーミング:1920×1080

ここからは前世代にあたるPS3、Xbox360とのマルチタイトルゲーミング性能を1920×1080ドット設定で見ていく。

METAL GEAR SOLID Ⅴ (メタルギアソリッドV-グラウンド・ゼロズ)

メタルギアソリッドシリーズの事実上の最終作シリーズとなる「V」の導入作品。グラフィッククオリティのわりには軽量なFOXEngineの威力で近年のGPUであれば60フレーム安定だ。GTX780もオーバースペック気味なのでWQHD以上の解像度で遊びたい。

LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII(FF13 ライトニング リターンズ )

JRRGの代表作FF13のスピンオフ作品。GTX780は必要十分な性能を持つ。Steamでも特価で販売されているタイトルなので、FF13をプレイ済みなら、遊んで見るのも良いだろう。

BioShock Infinite (バイオショック インフィニット)

上限フレームがなく、CPUもボトルネックになりにくいため、GPU性能の地力が出るバイオショック3。GTX780は平均160FPS超えだ。高リフレーッシュレートのゲーミングモニタの性能を存分に引き出して遊ぶことが出来そうだ。

Tomb Raider 2013(トゥームレイダー2013)

PS4との縦マルチとなるタイトル。GTX780はもちろんフルHDで快適に遊べる。こちらもオーバースペック気味なのでWQHDやゲーミングモニタで遊びたい。

Skyrim(スカイリム)

オープンワールドRPGの代表作。もちろんフルHDなら60フレームで安定しており、WQHDや設定次第では4Kゲーミングも期待できるパフォーマンスを見せている。このクラスのゲームではオーバースペックでGPU性能を図る事は難しい。

実ゲームにおいてもGTX1060に迫る性能を維持

「Geforce GTX780」は実ゲームにおいても、最新ミドルレンジGPUの「GTX1060」に迫る性能を示している。エントリーGPUの「GTX1050Ti」を圧倒しており、1段上のゲーミング体験が可能となっている。5年を経ても当時のハイエンドであれば、現行ミドルレンジクラスに近いパフォーマンスを発揮する事が伺える。

PS3世代のゲームであれば、フルHD環境においてGTX780は完全にオーバースペック気味だ。高解像度モニタを用いたコンシュマーゲームでは味わえない高画質・高フレームレートのゲーミングも視野に入ってくる。

GPUクロック、温度、GPUクーラーの挙動

GPU-Z情報

GPUコアは「GK110」で製造プロセスは28nm。Hyrix製のメモリを搭載と表示されている。OpenCL,CUDA,PhiyX、DirectComptuteと一通りサポートされている。GPU-ZのDirectX Supportの表示も「12」と現行機器と大きな差はない。

GPU-Z アイドル時と高負荷時の挙動

以下はアイドル時と高負荷時のGPU-ZのSensors情報。

高負荷時のコアクロック・GPU温度・ファンスピードの推移

下記のグラフはゲーム起動後から終了までのGPUコアクロックと温度、最上級ライトニングクラスという事もあり、Kepleとしては高いコアクロック1100Mhz超えで張り付いている。ファンスピードも50%を超える事もなく、GPU温度も最大で65度と余裕だ。

消費電力比較

ここからはGTX780の電力消費量にスポットを当ててみていく。TITANをスライドさせたハイエンドGPUのワットパフォーマンスは2018年現在許容できるものなのだろうか。

システム全体の消費電力のリアルタイムログが以下。(左:アイドル 右:フルロード)

アイドル時のシステム全体の消費電力

最近のGeforceはアイドル時はクロック制御によって消費電力が低く抑えられるが、GTX780は少し高めで最新Radeonのミドルレンジ相当だ。

高負荷時のシステム全体の消費電力

流石に消費電力は半端なく、PascalアーキテクチャのハイエンドGTX1080Ti相当となっっている。性能の近いGTX1060 3GBと比較して150W以上高い数値で、GTX480から順調に低下していた消費電力がGTX780で一気に跳ね上がっている事が伺える。

電気料金比較

以下は「1日3時間、GPU負荷100%でゲームを1年プレイした」と想定した場合の年間電気料金の比較。GTX780は性能が近いGTX1060 3GBと比較すると年間で4500円程度の差となる。2年間使えば9000円。社会人だと1日3時間もプレイできないので、ここまで差は出ないと思われるが、ヘビーゲーマーであれば留意したほうが良さそうだ。

「Geforce GTX780」レビューまとめ

5年目のハイエンドは最新ミドルレンジ相当

2013年のハイエンドとなる「GTX780」は、2018年現在も最新ミドルレンジクラスと同程度のGPUパフォーマンスを維持しているようだ。ビデオメモリが3GBで少し心細いが、ターゲットとなるフルHDではボトルネックとなるタイトルは少ない。ビデオメモリが溢れるようなタイトルでは先にGPUのほうがボトルネックとなる。

性能はGTX1060 3GBに迫り、消費電力はGTX1080Ti相当

「GTX780」を2019年以降に利用し続けるには消費電力がボトルネックとなる。利用時間が長いユーザーであれば、ワットパフォーマンスが優れた最新グラフィックボードに乗り換えたほうが総コストは下がりそうだ。

しかし、週末に軽くゲームをプレイする程度であれば、次世代のミドルレンジGPUが値ごろになるまで、GTX780で粘るとうのも1つの選択肢だろう。

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