大阪のオタク街「日本橋 オタロード」アニメ・マンガ・ゲーム・PC店舗が密集する西の秋葉原

「なんばパークス」と「堺筋」の間で発展する「日本橋オタロード」。ゲーム・アニメ・マンガ・自作PC・コスプレカフェなどサブカル系のショップが乱立する大阪の秋葉原といえるオタク街だ。

かつては日本橋電気街の「でんでんタウン」の裏通りとして、少数のPCショップが並ぶ通りだったが、PCブームの衰退と反比例するように、オタク系ショップが進出。現在は、メインストリートを越える発展を遂げ、日本橋電気街の中心となった。

今回はこの「関西のアキバ」ともいえる「大阪 日本橋オタロード」を紹介していく。

オタロードの概要

オタロードの出現と名称

日本橋のオタロードは正式名称ではなく、オタク街として定着したのはここ2010年頃だ。1995年頃から2000年代初頭はソフマップを中心にスタンバイ、TwoTop、T-ZONEなどが並ぶ自作PCパーツ通りといった趣だった。

しかし、自作PC市場の衰退がはじまると、初期から存在したコミック専門店「わんだーらんど」、同人誌アニメショップ「とらのあな」、ゲーム・フィギュア・DVDの「ソフマップザウルス」の集客力を糧に、「メロンブックス」、「アニメイト」、「ゲーマーズ」などの大型オタク系ショップが次々と出店。2010年代以降は大小様々なショップが増加していき、秋葉原化していく。

オタロードという名称は正式名ではなく、00年代までは、「オタク通り」、「ヲタロード」などの呼称しており、やがて「オタロード」と固定されるようになっていった。現在は上記の店舗を中心に多くの小規模店舗が乱立出店する関西最大のオタク街へと発展している。

場所と規模、観光地化

「オタロード」は「なんば駅」、「なんばパークス」と「でんでんタウンメインストリート」となる堺筋の間に位置する。オタク系ショップはオタロードを中心に多く密集しているが、なんば駅から「オタロード」までの人の流れをキャッチする様に、「なんさん通り」もショップは多い。

また旧電気街となる「でんでんタウン メインストリート」にも以前から多くのオタク系ショップが存在し、現在も難波寄りの方向に多数のオタクショップの新規出店が目立つ。大阪の観光地の1スポットとして定着しつつあり、観光客向けの店舗も多い。

かつては『秋葉原は「面」日本橋は「線」』として表現される事が多かった街の規模だが、現在の日本橋は「線」が複数に増えており、徐々に秋葉原同様の「面」の規模になりつつある。

北の「難波」側のオタロードの発展と反比例するように、南の恵比寿町方面はシャッター街化が進んでいる。かつてのパソコンブームだった頃の面影は既にないが、時間に余裕があれば足を運んで見るのも良いだろう。

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オタロードへの行き方・歩き方

JR大阪駅から向かう場合は御堂筋線 地下鉄(大阪メトロ御堂筋線)で向かう事で最短30分程度で到達できる。

最寄りの交通機関

地下鉄堺筋「日本橋駅」から南へ徒歩7分

近鉄「日本橋駅」から南へ徒歩7分

地下鉄御堂筋「なんば駅」 から南東へE9,E8出口へ 合計徒歩9分

南海電鉄「なんば駅」 から東へ徒歩5分

地下鉄堺筋線「恵美須町駅」から北へ徒歩5分

JR「新今宮」から北へ徒歩17分

オタロードへのアクセス・オススメ観光コース

南海電鉄「難波駅」から東、または地下鉄御堂筋線「なんば駅」から南東に歩いていくと数分でオタロードに到達する。

大阪駅からアクセスする場合は、地下鉄御堂筋線の「梅田駅」→「なんば駅」が乗り換えもシンプルで最短時間ルートとなりオススメだ。地下鉄なんば駅から「E9」出口からオタロード近くまで行く事ができる。

名前どおり「日本橋駅」から行く事も可能だが、乗り換えが不便で道中何も見るものがない。

*画像クリックで地図マップ拡大

初めて訪れる場合は、地下鉄御堂筋線「なんば駅」又は南海電鉄「なんば駅」から「なんさん通り」を経て「おたロード」→「でんでんタウンメインストリート」を歩けば、オタクショップは殆ど網羅できる。

スマートフォンのナビの仕方

スマホ等でナビする場合は「とらのあな なんば店A」を目印にすると迷うことなく到達できるだろう。(とらのあな なんば店B」でも問題なし)

オタロードの主な店舗

現在の大阪日本橋オタク街の中心エリア。大型のアニメ・ゲーム・同人ショップチェーン店が多く立ち並び、休日は多くの人でごった返す。最近は外国人観光客も非常に増加してきた。路上にはJK・メイドファッションに扮した呼子がチラシを配っており、雰囲気は秋葉原に近い。

アニメ系ショップ

おたロードには比較的大型のアニメ・コミック系のチェーン店が出店している。同人誌をメインに扱う「とらのあな」はコミケ直後は多くの人で賑わう比較的古参の店舗だ。オタロード創生の要の1つとなったと言っても良いだろう。

ゲーマーズも古くから、この場所に出店しており、商業系のコミックやメディアを中心に幅広くアニメ関連のグッズを扱う。2Fの「とらのあな」と上手く住み分けが出来ている感じだ。

かつてPCパーツショップが入居していた比較的大きなビルは殆どオタクビルに変貌している。

「アニメイト」や「メロンブックス」、「らしんばん」、「K-books」等のアニメ・マンガ・フィギュアの総合ショップが立ち並び、声優関連、美少女系からBL系までの極彩色の宣伝ポスターや看板がオタロードを賑わす

これらの総合ショップは扱う商品の「被り」が多いが、近年のオタロードの集客力で成り立っているのか、年々店舗は増加・拡大気味である。

古くから関西のオタクに親しまれ一部で「マルわ」の愛称で親しまれている「わんだーらんど・なんば店」。オタロード創生に貢献した老舗マンガ・コミックショップだ。

ゲーム系ショップ

近年、ゲームショップは日本全体から激減しているが、古くから日本橋でんでんタウンで多くの店舗を展開していた「スーパーポテト」は未だ現在だ。オタロードではレトロゲームをメインに扱う「レトロ館」がメイン通りに出店されている。

店内はゲームのみならず、ゲーム関連のグッズを多く扱う。

SFCやFCは勿論、メガドライブやPCエンジンなどのレトロゲームも相応に扱っており種類も豊富だ。しかし価格を良く調査しておりネットの相場よりかなり高く、掘り出しものは先ずない。

現物を見ながらチェックできるので、多少相場より高くても状態を直接確認したい場合は重宝しそうだ。

オタロードを南に更に進むと日本橋商店街がある。レトロな電気店や道具屋がならぶ地域だが、近年はオタロードからの流入もあり、オタク・サブカル系の店舗の出店もチラホラ増えつつある。

昔ながらのアーケードレトロゲームを扱うミニゲーセンもあり、スト2やSNK格闘、バーチャなど、90年代末期の格闘ゲームブームのタイトルがアストロシティの対戦台としてズラリと並んでいる。

カード・ホビーショップ

オタロードにはコトブキヤなどのフィギュア・ドール系も多く出店しており、秋葉原で買えるものは日本橋オタロードでも揃う感じだ。

古くからイエローサブマリンが多く店舗を構えてるエリアだったが、近年は更に増してカードショップが増加しており、飽和しないのが不思議だ。

観光地の定番なクレーンゲームショップも多く、中身はオタク系グッズで締められている。オタロードではないが、近場のクレーンゲームショップが摘発にあったばかりなのは記憶に新しい。

近年はアニメ・マンガグッズ・フィギュア系が飽和してきたのか、コスプレやアイドルショップも増加しており、店舗の入れ替わりも激しくなってきた。空き店舗はとりあえず、レンタルショーケースが出店されており、外国人観光客の姿も多い。

PC・自作パソコンショップ

かつてはパソコン系で賑わったオタロード界隈で、現在もPC系ショップが数店舗現存している。日本橋を象徴するブルーカラーのソフマップは「でんでんタウン」から全て撤退し、機能を「おたロード」のなんば店ザウルスに集約している。

ソフト館は新作ゲームから中古ゲームまで多く取り扱う。昔は古めのゲームソフトからPCゲームまで潤沢に扱っていたのだが、近年はやや新しめのゲームに主力ラインナップが移行しつつ在るようだ。

ハード館となる「ザウルス2」は「なんさん通り」「オタロード」の両面に展開できる好条件で健在だ。PCパーツも比較的多く扱っており、クーラーやケーブル等の細かいサプライズ系商品もここで手に入る。

多くのPCショップが姿を消したオタロードだが、ベストドゥは現在も頑張っている。店内はPCパーツの実物がズラリとならび、ラインナップや数も豊富だ。

自作PCショップだった「ワンズ」が実店舗では自作PCパーツの取扱を縮小している今、実物を直に見ながら物色できる店舗として存在感は増しつつある。

パソコン関連だけでなく「たこ焼き器」などの家電の扱いもある。2Fにもディープなジャンク空間が広がっており、デジタルオタクなら楽しめるだろう。

かつてはPCパーツを多く扱っていた店舗も、昨今のオタロードの事情に合わせて変貌しつつある。GoodWillは迷走という感じだ。

全国にチェーンを構えるパソコン工房は今もゲーミングPCの店頭実演や自作PCパーツを多く扱う。PCパーツの価格一覧など、自作PCらしい名残りを残す数少ない店舗だ。

ネットショップでは見ないような特価も多く、おたロードを訪れた際は足を運ぶ価値がある店舗といえる。

中古パソコン・PCパーツショップ

PCNETは古くから存在する中古PC、ジャンクPCパーツを扱うショップだ。1Fには法人落ちのPCが多く並ぶ。コンパクト・スリムPCが豊富でノートPCの量も多い。

2Fはジャンクパーツコーナーとなっており、PCから取り出した動作未確認物が多く並ぶ。ジャンクなので壊れている割合も多いが、殆ど動作しないネットオークションのジャンク品より真っ当な代物が多い。

ショップインバースも法人向けの中古PCを多く扱う。

中古モニタが充実しており、現物を見ながらチェック・購入したい場合はオススメだが、価格は少し高めだろうか。

オタロードには小規模な中古PCショップが多く現存している。

サーバー・ワークステーション系が充実している店舗もあり、旧システムの法人メンテナス需要があるようだ。古いQuadroやMillenniumの現物が見れて、マニアなら博物館の様に楽しめる。

食事・カフェ

オタロードの観光地化に伴い、食事や食べ歩きできる店舗も増加しつつある。秋葉原同様に「肉」「ラーメン」「丼」といった店舗が多く、平日は外国人観光客の割合が高い。休日は家族連れ、カップルが多く詰めかける。

昔ながらの喫茶店も多く現存しており、静かに食事をしたいのであれば、これらのランチが安くてお勧めだ。しかし地元民の安らぎの場でもあるので、グループで行く際はマナーに留意する必要があるだろう。

 なんさん通りの主な店舗

なんば駅から続く「なんさん通り」にも多くのオタク系ショップが出店している。オタロードに近づくに従って、極彩色の美少女アニメキャラの看板が目に付くようになる。なんば駅に向かってグラデーション的にオタクカラーが収まっていくのが興味深い。

アニメコスプレ・ゲームセンター

オタク系のファッショングッズやコスプレイグッズを多く扱うジーストア。昔からSTEPやグラスホッパーといったシューズショップが並ぶ通りの影響だろうか。

道路の反対側にはナムコの巨大アミューズメントゲームセンターが構えている。また近くにはゲーマーの聖地「セガ難波アビオン」が健在で、未発売の新作ゲームのロケテストなどが今も行なわれている。

ゲーム

「なんさん通り」のなんば駅前にも中古ゲームショップ「スーパーポテト」が出店している。オタロードより、価格が安い事が多く特価も昔から早い

最近はレトロゲームの扱いも拡大しており、ラインナップも豊富だ。こちらも価格調査は徹底されているようで、観光客向けで相場より少し高い。状態を直接確認したい場合は重宝するだろう。 

ゲーミングPC・自作PCパーツ

「なんさん通り」と「オタロード」の両方に面する好立地にドスパラが店舗を構えている。しかし品揃えや店舗構成は他の競合店に少し負けている感じだろうか。

上層階にはPCパーツを多く扱うが、やはり店舗面積を踏まえると扱う商品数・バラエティは少し寂しい。比較的ライトな層が多いのか、PCパーツに関して相談する中年から年配の男性をよく見かける店舗だ。

価格もネット相場と併せてるのか、パソコン工房ほどインパクトはない。

でんでんタウンメインストリートの主な店舗

かつての「日本橋でんでんタウン」のメインロード。2010年以降はオタロードがある北部分が発展を維持している。昔ながらの電気屋といった小規模店舗も現存しており、かつての電気街の名残りが残っているエリアだ。

アニメ・ホビー

ボークスが出店している影響か、このエリアにはホビー・フィギュア・模型・プラモデルの店舗が充実している。レトロから最近商品まで幅ひろく揃う。

新規店舗は外国人観光客もターゲットにした店が多い。店内に飛び交っている言語が日本語以外という事は少なくない。

訪れる度にオタク系ショップが増加しているという具合で、かつての電気街からオタク街へと変貌している事が実感できる。

ゲーム・レトロゲーム

ゲームショップもGEO、エーツー、ゲーム探偵団などが健在だが、このエリアからは「スーパーポテト」は撤退してる。

相場的にはレトロゲームは高く、最新ゲームは特価が早いといった特徴はどの店舗も同じだ。

恵比寿駅近辺のゲーム探偵団はオタロードより価格が安いケースが多いので、足を運ぶ価値はある。古いゲーム雑誌も扱っており、古参ゲーマーなら懐かしい気分を味わえる。

電化製品類

このエリアには古くからの電気店は現在も健在で、90年台~2000年台初頭の電気街の雰囲気をまだ残している。

パソコン・スマホ・レトロPC

じゃんぱらも多く出店しているが、時勢にあわせてスマホ・タブレット・関連グッズがメインだ。少量のPCを扱っている店舗もあるが、どの店舗も差異はない。全国どこにでもあるショップといった感じだ。

恵比寿駅構内でて直ぐの場所にはPC98系に強い中古アウトレットショップが現存する。

PC9821やPC9800シリーズの稼働機が売られており、動作確認されたPC98機器が欲しい場合は重宝するだろう。Cバス対応と言った拡張カードも売れれており、レトロPCマニアなら楽しめそうだ。

今も多くの店舗を展開する関西のJoshin

ニノミヤ、ソフマップなどの大型ショップが撤退していくなか、関西資本のJoshinは孤軍奮闘している。恵比寿町駅側のテクノランドは日本橋最大規模のPCパーツを取り扱う店舗で、多くのマザーボードが実物でチェックできる。購入する前にクリアランスなどを確認する際に重宝する場所だ。

ケースなどの展示も多く、ネットショップでは確認できない箇所をチェックできる。

Joshonは各店舗毎に取扱商品のカラーを変えて展開しており、でんでんタウン界隈では存在感が相対的に増している。

関西の自作ショップの代表だったワンズも現存している。しかし、近年は自作PCパーツの扱いを大幅に縮小させて、スマホ・タブレットメインとなり、かつてほどマニアック度はなく、どこにでもある普通のPCショップといった感じになってきた。

一応現在もPCパーツは取り扱っているが、数は日本橋のショップの中でも少ない方だ。ネットショップメインに移行したといったところだろうか。フロアの客も減少しており、他の店舗より印象は小さくなった。

時代の流れには逆らえない様であるが、自作PCファンとしては頑張ってもらいたい。

周辺観光

オタロードの周辺は大阪観光の定番スポットが多い。遠方から訪れた際はそのまま足を伸ばして大阪観光を堪能するのもオススメだ。

通天閣(オタロードから徒歩13分)

オタロードから「でんでんタウン」メインロードを南下していくと通天閣が見える。通天閣の付近は新世界と呼ばれるコテコテのナニワ観光地だ。串かつやお好み焼き・たこ焼き等の定番観光食事を味わえる。

道頓堀方面(オタロードから徒歩10分)

なんさん通りを北に向かうと、大阪の観光地で有名な道頓堀に出る。この辺も観光地化されており、吉本新喜劇の劇場がある場所として有名だ。たこ焼きショップなどで食べ歩きを楽しむのも良いだろう。

最寄り駐車場

オタロードと周辺に多数駐車場有り

タイムズ大阪難波

https://androgamer.net/2017/08/06/post-6147/