2020年の「GeForce GTX 670」レビュー。中古市場に溢れる旧型GPUを最新GPUと比較ベンチマーク

Geforce GTX 670は2012年5月に発売されたGPUだ。当時、上位モデルのGTX680に迫る性能を発揮し、コストパフォーマンスの高さから人気グラフィックボードとなった。中古市場に低価格であふれる本GPUは2020年現在でもゲーミングGPUとして利用できるのだろうか

今回は発売から8年を経たKeplerのミドルレンジをGTX1650シリーズ、GTX1050Ti、RX5500など最新GPUと比較しながらレビューしていく

Geforce GTX 670」の仕様

KeplerアーキテクチャのミドルハイGPU

GTX670はKeplerアーキテクチャのミドルハイクラスGPUだ。当時の上位モデルGTX680との性の差が小さく、価格も控えめで人気を博した。

4世代前のGPUだがシェーダー数では最新のエントリーモデルにも負けてないが、クロックやビデオメモリ容量で大きな差がついている。製造プロセスも28nmという事でTDPも170Wと消費電力が高い。

GTX670の基礎GPU性能

詳細なベンチマークを見る前に、まずは「GTX670」の基礎GPU性能を把握しておこう。(他のベンチマーク、消費電力の詳細は後述している)

3DMARK TimeSpy 

最新のDirectX12ゲーム性能を図る「TimeSpy」。「GTX670」は3世代後のエントリークラス「GTX1050」以上「GTX1050Ti」未満といったところで、Radeonの「RX560」と良い勝負だ。最新エントリークラスの「GTX1650」の60%程度の性能で「GTX1650 Super」との差は大きい。

3DMARK  Firestrike Full HD

現在主流のDirectX11のゲーム性能を図るフルHD「FireStrike」。ここではGTX670はGTX1050Tiに迫るパフォーマンスを発揮しており、RX560を明確に上回る結果となった。現在主流のゲームにおいてはPascal世代のエントリークラスと同等のゲーム性能が期待できる。

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外観・形状の特徴

外観

今回レビューに用いるグラフィックボードはGigabyteの「GV-N670OC-2GD」だ。Wind Force と呼ばれるファンを3つ搭載したOCモデルとなる。大型ヒートシンクを備えおり、GPUとビデオメモリの熱を強力に発散できるとしている。

専有スロットは2。発売から時間を経ているのでGPU温度が70度を大きく上回っている場合はグリスを塗り直すなどの対処を施したほうが良いかもしれない。

サイズ比較

全世代のGTX780のリファレンスグラフィックボードとのサイズ比較。43 mm×275 mm×136.6 mmとカード長に大差はないが横幅は若干広い。

今でも使える映像端子構成

映像端子には、DisplayPort×1、HDMI×1、DVI-I×1、DVI-D×1となっており、古めのモニターから最新モニターでも十分使える構成となっている。「HDMI」は4K/30Hzにとどまるが、 「DisplayPort 」を利用することで4K60hzを実現する

補助電源

補助電源は8ピン+6ピンが1つずつの仕様。推奨搭載電源は550Wとなっており、現行GPUのミドルレンジクラスと同等だ。

ゲームベンチマーク詳細

さて、ここからは少し詳細にGTX670の性能を見ていこう。4世代前のミドルハイクラスは最新GPUとどこまで戦えるのだろうか。

FinalFantasy XVベンチマーク

FF15においてはGTX1050Tiとほとんど遜色ないパフォーマンスを発揮しており、RX560をはるか後方に置き去りにしている。高品質では「やや重い」判定となるが、グラフィックオプションを調整することで快適にプレイできそうだ。

FF14ベンチマーク 紅蓮の解放者

FullHD 最高品質

GTX1050Tiにはおよばないが、やはりRX560を大きく上回っており、半端なエントリークラスより高い性能を示している。最高画質でも「非常に快適」判定であり、このクラスのゲームであれば十分現役で遊べることが示唆される。

国産ライト ネットゲーム 4Kベンチマーク

ここからは国内ネットゲームのベンチマークを見ていく。これらのベンチは負荷が軽すぎてハイエンド帯ではフレームレートが飽和する。純粋なGPU性能というより、ゲーム動作を図る指標程度に捉えておいた方が良いだろう。

ドラゴンクエストX ベンチマーク

左:FullHD最高画質 右:4K最高画質

かなり古いベンチマークというだけあって、最新GPUのスコアの伸びが悪い。GTX670は旧型ということもあり、古いゲームのDirectX9の設計と相性がよいのか、GTX1050Tiを上回る性能を示した。

VRベンチマーク

VRMark

軽量VRの指標となるOrange Room。VRレディの基準となる5000~6000に達しておらず、VRを体験するには性能が足りない結果判定となった。VRが目的であれば最低でもGTX1650SUPER程度はほしい。

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詳細スペック

GPU-Z情報

GPUコアは28nmのGK104、ビデオメモリはHyrixのGDDR5と表示されている。ビデオメモリが2GBとGTX1050と同程度だが、ベースクロックは980Mhzにとどまっている。機能としてはRayTracing以外は現行のモダンなGPUと比較しても大きな欠落はない。

消費電力比較

ここからはGTX980Tiのワットパフォーマンスを中心にチェックしていく。以下は高負荷時のシステム全体の消費電力の推移。低消費電力で高評価となったアーキテクチャだけに現行機と比較しても大きな差はない。

高負荷時のシステム全体の消費電力

最新GPUと比較すると流石にGTX670は分が悪い。GPU性能が近いGTX1050Tiと比較すると80W近い差がついている。GTX700番台、GTX900番台では同じ製造プロセスに留まっているためか、そこまで差はなく、GTX1000番台を境にワットパフォーマンスが一気に向上していることが伺える。

電気料金比較

以下は「1日3時間、GPU負荷100%でゲームを1年プレイした」と想定した場合の年間電気料金の比較。最新エントリークラスと比較すると2000円程度の差となっており、年間ベースでみると、そこまで気にする差ではなさそうだ。1,2年程度の利用期間であればGTX670の中古価格を踏まえるとGTX1050Tiの代替としての選択肢となりうる。

「GTX670」レビューまとめ

GTX1050以上GTX1050Ti未満、GTX1650との差は大きい

4世代前となるGTX670だが、GPU性能的にはGTX1050以上GTX1050Ti未満という結果となった。2GBというメモリサイズの制約があるが、このGPU性能クラスの場合、ビデオメモリのサイズがボトルネックとなる設定の場合、そもそも30FPSを維持できない局面が多い。

ただし、最新GPUのGTX1600番台と比較すると、その性能差は大きい。消費電力とGPU性能を踏まえるとGTX1650の代替とはならない。完全な「繋ぎ」として、中古の安価なGTX670という選択肢もありえるが、「PCで話題のゲーミングを楽しみたい」といった目的であれば「GTX1650 SUPER」あたりまで背伸びしたほうが満足度は高いだろう。

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