Pentium G4560で組む格安ゲーミングPCに適切なグラフィックボード

Kabylake世代から2コア4スレッド化と大きく飛躍したPentiumGシリーズ。Pentium G4560は早くも市場価格も6000円台まで下がっており、今後も更なる下落が期待できる。このPentium G4560を用いた格安ゲーミングPCは実用に耐えうるのだろうか。今回はサブPCの更新を検討してた際にまとめたPentium G4560のゲーム性能をメモしておく

ハイエンドにはない格安構成の自作ゲーミングPCの楽しみ

格安構成の自作PCにはハイエンド構成にはない楽しみがある。筆者もメインPCは数十万円のハイエンド構成だが、その傍ら4~5万円程度の安価な格安サブPCを組むのも大好きだ。前回組んだサブマシンのPentium G3258機の代替機を検討してたところ、Pentium Dual-Core G4560の4スレッド化の情報を見つけた。この安価なロークラスCPUのゲームに対しての性能はどの位だろうか。

*上記は2年前に組んだnon Z nonk OCで遊べるPentium G3258の格安自作PC構成。低コスト安価な構成でもグラフィックオプションを調整すればPS4の代替ゲーミングPCとして利用する事も可能だ。

前世代から飛躍したマルチスレッド性能

仕様

Kabylake世代の最大のトピックの1つとしてPentium Gが2コア2スレッドから2コア4スレッドへ変更になった点だろう。エンコードに影響があるAVX2機能の有無などの差はあるが、Skylake世代のCore i3の市場価格を踏まえると、Pentium G4560のコストパフォーマンスは高い。

・価格もCore i3シリーズと比較するとPentiumG4560の安さが際立つ

Cinebenchスコア

4スレッド化の効果は大きくPentium G4560は前世代の同クラスであるPentiumG4400と比較すると、マルチスレッド性能が飛躍的に向上している。Cinebench R15の値を見るとPentium G4560のベンチマークスコアの性能は上位CPUであるCore i3 6100に迫る値だ。

主な歴代CPUとの比較

PentiumG4560はロークラスながらも第1世代のCore i7や第2世代のCore i5の主たるCPUと肩を並べる程度までになっている。Passmarkスコアはマルチ「5336」、シングル「2018」となっており、高いシングルスレッド性能が光る。勿論消費電力ではPentiumG4560が圧倒的に高効率だ。

Kabylake世代の上位Pentium G4600,4620との性能比較

Kabylake世代ではPentium G4560の他にもPentium G4600,Pentium G4620がリリースされている。上位モデルはクロック周波数が100Mhz刻みで向上しており、CPU内蔵グラフィックにIntel HD610の上位版であるIntel HD630が採用されている。

CPU性能では殆ど差がない

ベンチマークでもCPU性能は殆ど誤差の範囲だ。上位シリーズのCore i5やCore i7との差は大きく、PentiumGのシリーズの中で体感できる程の差はないだろう。価格もPentiumG4600とPentiumG4620になると上昇率が上がる。CPU性能だけ見ると積極的に上位PentiumGを選択する理由はなさそうだ。

価格はPentium G4600から急上昇する

現時点ではPentium Gシリーズは上位になると価格上昇率が高い。Pentium G4600から一気に跳ね上がってしまう。最上位版はi3に届きそうな値段だ。Pentium Gの上位シリーズは内蔵GPUの違いがコストに乗っているので、外部グラフィックボードを利用するならコスパは低くなるといえるだろう。

外部GPUを用いない場合はPentiumG4600のCPU内蔵グラフィック性能が光る

Pentium G4560と比較すると価格が高いPentium G4600だが、iGPUにIntel HD630を採用しておりCPU内蔵グラフィック性能が高い。GT740には及ばないがKepler版GT640に迫る性能に達しており、グラフィックボードを用いない運用方法ならPentiumG4600のチョイスが適切になる。

ミドルクラスGPU以上ではPentium G4560のCPU性能がボトルネックに

実ゲームの動作

では実際にグラフィックボードを用いたゲーム動作を見てみよう。4スレッド化されたとは言え、物理2コア制限の影響は大きいようだ。最近のゲームでは複数のCPUコアを有効に活用する傾向が強い。そのためGPU性能が高くなると2コア4スレッドのPentium G4560のCPU性能がボトルネックになりフレームレートが伸びなくなっている。おおよそGTX1060あたりからゲームによってはフレームレートが伸びなくなり、GTX1070以上では多くのゲームでCPUボトルネックが顕著になっている。

GTX1080などのハイエンドクラスでは、その差は顕著だ。高いGPU性能を十分に発揮できないケースが多くなる。

しかしGTX1050TiクラスではGPU性能をPentiumG4560でも100%発揮できている事が確認できる。前世代GPUもGTX960程度なら無駄なく利用できそうだ。

全体的にGTX1060からは上位CPUと比較するとPentiumG4560搭載PCのパフォーマンスの伸び率は鈍化する傾向だ。フレームレートが向上しない訳ではないため無意味ではないが、GPUの性能を100%発揮できない状態になる。グラフィックボードにGTX1060以上を検討しているのであればCPUにPentiumG4560を据えるのは一考した方が良いだろう。高価なビデオボートの性能を抑えてまで、Pentium Gシリーズに拘る必要もない。

FF14ベンチマークの動作

FF14ベンチはPS3世代の古めのゲームをターゲットにしており、シングルクロックの影響力が高いため、比較的PentiumGに有利に働くベンチマークだ。

しかし、PS4世代のゲーム同様にミドルクラス以上のグラフィックボードではPentiumG4560のCPU性能がボトルネックになっている傾向が見られる。

以下はGTX1050,GTX1050Ti,GTX1060,GTX1070のFF14ベンチをCore i7-6700とPentiumG4560で比較したグラフ。GTX1050TI程度ならGPUの性能をフルに発揮できてる事が確認できる。

GTX1060辺りからスコアが開き始め、GTX1070においてはCore i7-6700では18000前後まで達するのに比べて、PentiumG4560では13000前後まで落ち込む。この値はGTX1060並であり、4.5~5万円のグラフィックボードが2~2.5万円程度の価値まで落ち込む事を意味する。

3DMarkベンチマークの動作

DirectX12世代のベンチマークソフト3DMark TimeSpyのGTX1060のおける結果。ミドルレンジのGTX1060で全体としてスコアがPentiumG4560は振るわない。ただしグラフィックのみで注視するとここまで差は出ないので、CPU負荷が低いゲームであればGTX1060も能力が発揮できそうだ。CPU負荷が高いゲームではGPU性能はスポイルされてしまうだろう。

ロスを許容すればPentium G4560+RX470のコスパの高さが光る

2万円近辺のミドルロークラスのGPUをPentium G4560で用いた際のゲーミング性能が以下。価格順になるのは当然だが、RX470の価格が下落しておりコスパの高さが光る。

RX470の直近の十数本のトータルゲームスコアが以下。タイトルによってはCPUがボトルネックになるケースがある。しかしRX470は性能の割には価格が低い。2万円以内という価格を踏まえると多少のロスでも許容してしまうのもアリだ。

ただし上記ミドルロークラスのGPUの場合、どれも最高画質のフルHD@60フレーム安定という訳にはいかない。「ゲームはPS4相当で十分」というスタイルであればGTX1050Tiでも問題ないだろう。

 

Ryzen5 1400と比較しても健闘するPentium G4560のゲーミング性能

以下はRX480利用時の8本のゲームにおける平均フレームレートから比較したゲーミング能力の比較。Pentium G4560は前世代の上位CPUで400Mhzほどクロックの高いCore-i3 6100とほぼ互角のパフォーマンスを発揮している。

流石にRX480クラスになるとCore i5 7400には差を開けられるが、実売価格が2万円以上というRyzen5 1400には迫る健闘を見せている。価格差が3倍近い事を踏まえると悪くない結果だ。Kabylake世代になり2コア4スレッド化したPentium G4560のコストパフォーマンスは極めて高いと言えるだろう。

Pentium G4560であればGTX1050TiかRX470あたりが格安ゲーミングPCとして無駄のないチョイス

ピッタリなGTX1050Tiか価格が下落しているRX470か

以上の傾向を踏まえるとPentium G4560のCPU性能がボトルネックにならないGTX1050かGTX1050Tiあたりが格安ゲーミングPCとしては無駄のないチョイスになりそうだ。それ以上のグラフィックボードを載せるのであれば上位CPUになるCore i5等を検討した方が良い。タイトルによってはGPUに上乗せしたコストの恩恵が受けれなくなる可能性が高くなるためだ。

勿論、フレームレートが上がらない訳でないので、ロスを許容して安価なRX470あたりを選ぶのもアリだろう。ただし、RX470は補助電源が必要で必要電源が500W前後になるので、一式のコストは上がる。

補助電源不要・推奨電源300WのGTX1050Ti

GTX1050とGTX1050tiはロープロファイルタイプもリリースされており、補助電源不要で推奨電源も300W以上とハードルが低い。電源付属の安価なケースを用いて、コンパクトな格安ゲームPCが組みやすい点もポイントが高い。

最高画質+60フレーム安定を条件にすると、PCの構成価格が跳ね上がる。「格安ゲーミング」であれば落とし所としては、この辺になりそうだ。

ミドルローでもCPU・GPU性能はPS4を上回る

ミドルローに位置するPentium G4560+GTX1050Tiといえども、PS4より性能は高い。PS4とのマルチタイトルならグラフィックオプションを調整する事でPS4より高画質・高フレームレートを狙えるケースもある。

PS3時代のマルチタイトルのゲームであれば高品質なオプションのまま60FPSで遊ぶ事も可能になってくる。Steamセールで数百円で変える過去の名作ゲームを高画質に遊べる。

自作PCであれば今後必要に応じてアップグレード出来る。将来より高性能で価格が下落したGPUに乗り換える事も可能だ。安価に4K環境が構築できるようになるまで、コスパ重視の格安ゲーミング機でPCゲームを堪能するのも悪くない。

格安ゲーミングPC構成例

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