Pentiumの20周年記念モデルとして発売されたPentiumG3258。h81やB85といったインテルがサポートしてない廉価チップセットでもマザーボードメーカー独自の機能でnonK nonZオーバクロックが可能となっており、人気を博していた。
しかしWindows10以降はマイクロソフトによって、nonZのマザーボードによるオーバークロックが封印されており、解除するには若干面倒な手間が発生していた。だがWindows10のアニバーサリーアップデート以降、複雑な手間なくH81でもOCが可能になっている。
Windows10でOCする場合はmcupdate_GenuineIntel.dllの書き換えが必要だった
従来、Windows10ではH81等の安価なマザーボードでPentium-G3258をオーバークロックするにはSystemフォルダ内にある「mcupdate_GenuineIntel.dll」を書き換える必要があった。マイクロコードがWindows10で更新されていた様だ。以下が以前必要だった作業。現時点では作業不要だ。
・ファイルの場所
C:\Windows\System32\mcupdate_GenuineIntel.dll
・従来の方法
名前を変更する。(拡張子をbakなどに書き換えてしまう。
mcupdate_GenuineIntel.dll → mcupdate_GenuineIntel.bak
最新のバージョンでは簡単にWindows10でPentium G3258がOC可能
最新のWindows10ではこのリネーム作業は不要でH81チップセット等でPentiumG3258を普通にオーバークロックが楽しめる様になっている。例として当時最安値3000円台という非常に安価に出回っていたMSIのH81M-P33を例に追っていく。
H81M-P33のBIOSを立ち上げる
まずは起動時にWindows10に入る前にDELキーを押してBIOSを立ち上げる。トップ画面の「OC」をクリック。(OC GINEなどが有効にしている場合は切った方がよいだろう。)
内部倍率を変更
OC項目の「CPUの内部倍率を変更」という項目があるので倍率を変える。PentiumG3258ならリテールクーラーでも4GHz程度は容易いが、まずはテストで38倍程度に抑えて確認するのが良いだろう。
内部倍率を変更できない場合はBIOSのバージョンが古い。BIOSのアップデートを行おう
変更するとBIOSの上部表記が変わり、3.2GHzから3.8GHzにオーバークロックされている事が確認できる。BIOSの変更内容を保存してPCを再起動しよう。
Windows10内で確認
Windows10を起動させるとタスクマネージャーを確認すると「最大速度」が変更した倍率に変わっている事が確認できる。(下の図は40倍にして起動したときのもの)
タスクマネージャーの表示の問題
1点問題がある。インテルとマイクロソフトがH81のチップセットでのオーバークロックをサポートしてないためか「速度」の表記が不正確になる。この場合「4GHz」のはずなのに「4.96Ghz」と表示されてしまっている。
OpenHardWareMonitorなどでクロック周波数を確認すると正しい値が確認できる。オーバークロックを詰める際は専用ソフトを利用する必要があるので、大きな問題にはならないだろう。
Windows10でのnonZ nonKによるPentium G3258のオーバークロック性能
OC確認用の3.8GhzをCinebenchで確認した数字が以下。Windows10のOS上でも正しく周波数分の上乗せが働いている事が確認できる。PentiumG3258は高いオーバークロック性能を持っており、冷却をしっかり行えば4.7Ghz程度が回る個体は珍しくない。
Pentium G3258を4.7Ghz程度までOCすると性能も最新のKabylakeの「Pentium G4560」に迫る。シングルスレッドでは越える数値が出ており、Skylake世代の上位CPUになる「Core i3 6100」にすら肉薄する。シングルスレッドが効くゲームでは高い性能が期待できる。
GPUを最新にすれば、もう少し戦えるPentium G3258
Windows10でも簡単にオーバークロックが可能になった事でPentium G3258はローエンドクラスとしては現役復帰可能になった。GTX1050Tiなどを詰めばPS4の代替機として十分活躍できる性能を維持できる。
AMDのRyzenなど期待のCPUの価格が落ち着くまで、手持ちのPentium G3258で粘るのも良いだろう。H81チップセットのマザーボードは捨て値で転がっている事もある。中古で安価にパーツが手に入るなら手軽にオーバークロックを楽しむには丁度良い組み合わせだ。
GTX1050TiクラスのグラフィックボードならOCしたPentium G3258なら十分性能が引き出せてる様だ。設定を調整すればPS4より高いフレームレートでゲームを遊べるパフォーマンスが期待できる。
・格安ゲーミング構成
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