4年目の「GeForce GTX 960」を最新GPUと比較レビュー。前世代のミドルレンジは2019年も使えるのか

2015年に1月発売された「Geforce GTX960」はMaxwellアーキテクチャを採用したミドルレンジGPUだ。「RTX2000」シリーズがリリースされた今となっては2世代前のグラフィックボードとなるが、かつてのミドルレンジは2019年も利用できるのだろうか。今回は発売から4年目を迎える「GTX960」を最新GPUと比較しながら追試レビューしていく。

「NVIDIA Geforce GTX960」の仕様

第2世代MaxwellのミドルレンジGPU

「GTX960」は「GTX750Ti」の「第1世代Maxwell」に最適化を加えた「第2世代Maxwell」アーキテクチャを採用した「GTX900」シリーズのミドルレンジクラスに該当する。

置き換え対象となった「GTX760」と比較すると、製造プロセスは据え置きで、シェーダープロセッサ数は低下しているが、クロックは向上したスペックとなる。

Pascal世代のGPUと比較してもシェーダープロセッサ数は引け取らず、メモリ容量も「GTX1060 3GB」を上回る4GB版もリリースされているが、市場に流通した「GTX960」は2GB搭載モデルが多い。

現行世代の主な競合GPU

「GTX960」の中古市場価格を踏まえると競合となるGPUは「GTX1050Ti」、「GTX1050」、「Radeon RX560」あたりとなるだろうか。いずれもエントリークラスのGPUで「GTX960」の1.5~2倍程度の価格で流通している。

1年ほど継続したマイニングブームの余波と長い間、高値で推移してきたエントリークラスのGPUだが、ここに来て急激に値下がりも始まっており、引きづられる形でGTX960も特価が多い。

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外観・形状の特徴

「 GeForce GTX 960  JetStream」レビュー

今回レビューに用いるグラフィックボードPalitの「 GeForce® GTX 960 JetStream 」。メモリ容量は4GB搭載版だ。当時23000円程度で流通しており、このパッケージでは「LORD of VERMILION ARENA 」のアイテムクーポン付きだった。


「 GeForce® GTX 960 JetStream 」(amazon)

インターフェース形状:PCI Express3.0 x16
コアクロック:1,127MHz(ベース)1,178MHz(ブースト)
メモリクロック:3500MHz(DDR 7000Mhz)
ビデオメモリ:GDDR5 4GB
映像出力:HDMI /Displayport / DVI-I×2
補助電源コネクタ: 6ピン×1 推奨電源400W
専有PCIスロット:3スロット


赤と黒のツートンカラーが特徴的な「JetStream」。メタリック素材のプレートは高級感もあり、プラスチックベースのグラフィックボードと比較しても所有欲は満たされる。

スロットは3スロット占有となる。Palitのロゴは艶ありシルバー。基盤後方は殆どブランクといった配置で、その影響か補助電源は中央やや後ろに位置する。

サイズ比較

リファレンスモデルとの比較。24.7cm×12.6cmという事で、カード長は短い分、横に面積が伸びているため、スリムタワータイプのPCケースでは補助電源コネクタとの干渉に留意が必要となる。

映像端子構成

Maxwell世代の映像端子構成は未だDVI端子2基がスタンダードだ。それ以外はDispayPortに加えてHDMIなど、現行機と大差はない。GTX960はDisplayPort 1.2をサポートしており、4K60Hzの表示も可能だ。

GPUクーラー

GPUファンは「JetStream」クーラーの2連構成。サイレントモードはGPU温度が低いときは完全に静止するセミファンレス機能を搭載しており、アイドル時は「0db」を謳っている。

補助電源・バックプレート

OCモデルだが、TDP120Wのミドルレンジ帯ということで補助電源は6ピン×1。推奨電源も400Wなので、コンパクトなシステムでも十分運用できる。

バックプレートは搭載されておらず基盤がむき出しだ。裏面からも後方部分はブランクであることが確認できる。

ゲーム系ベンチマーク

では「Geforce GTX 960」のゲーム系ベンチマークを見ていこう。4年目のミドルレンジは2019年を迎えても現役でいられるのだろうか。

3DMARK  Time Spy

DirectX12のゲーミング性能の指標となる「TimeSpy」。GTX960はGTX1050Tiと互角の勝負といったところで、現在でもエントリークラスのポジションを維持している。ライバルAMDのRX560よりも明確に上で、かつてのハイエンドGTX680を大幅に上回るパフォーマンスを発揮している。

3DMARK Firestrike FullHD

現行のPCゲームの大半が対応するDirectX11の性能指標となる「FireStrike」。こちらもGTX1050Tiと同等の性能を示しており、RX560を僅かに上回る。DirectX11という事もあり、GTX680はTimeSpyと比較すると健闘している。

FF14ベンチマーク 紅蓮の解放者

少し古いPS3世代のゲーミング性能の指標となるFF14ベンチ。ここではGTX960はGTX1050Tiに偏差で追いつけない感じだ。しかし、RX560よりも圧倒的に高いスコアをは示しており、「非常に快適」判定だ。

4Kではエントリークラスには荷が重く、GTX960を含め「快適なゲーム」は厳しい。FF14は今となってはグラフィック品質も高くなく、軽量な部類だが、4Kモニタで遊ぶなら最低でもGTX1070程度は欲しいところだ。

国産ライト ネットゲーム ベンチマーク

ここからは国内ネットゲームのベンチマークを見ていく。尚このクラスのゲームの場合、負荷が軽すぎてスコアが飽和気味だ。純粋なGPU性能というより、これらのゲーム動作を図る指標程度に捉えておいた方が良いだろう。

ドラゴンクエストX ベンチマーク FullHD最高画質

ドラクエ10ベンチはフルHDではGPU負荷が低すぎて、GTX1050Ti程度でスコアは飽和する。GTX960も飽和点に達しており、十分以上の性能を確保している事がわかる。フルHD環境下ではGTX960はオーバースペック気味だ。

GTX960は4Kでも8000超えの「とても快適」判定だ。DirectX9環境では古いGPUのほうが有利なのか、GTX680やGTX960が少し高めなスコア結果となった。

ファンタシースターオンライン2 設定6フルHD ベンチマーク

Radeonに厳しいPSOベンチ。GTX960はGTX1050Tiに迫るスコアを出し、RX560をダブルスコア以上の差をつけて完勝している。結果を見る限り「PSO2」が主目的ならGeforceで間違いないようだ。

GPGPUベンチマーク

動画や3Dなどクリエイティブソフトで用いられるGPGPU性能を図る「CompBench2.0」。項目によってバラつきは多少あるが、シェーダープロセッサ数が効くのか一部の項目でGTX960のスコアが健闘を示している。

VRベンチマーク

VRMark

VRベンチマークではGTX960は4000を超え、GTX1050Tiを僅かに上回る。Oculus Riftの45フレーム補完モードであれば、何とかVR体験も可能といったところだろうか。WindowsMRも低画質モードならプレイできそうだ。

Steam VR pefomance Test

SteamVRの性能指標となるベンチマーク。一応「可能」判定で90FPSは維持している。しかしSteamVRはGTX970程度を基準に制作されたゲームが大半となる。VRを体験するなら、VRレディとなるスコア「7」程度は欲しい。

Steam VR pefomance Test

GPUレンダリングの指標となるVrayベンチマーク。ここではGTX760が検討しており、シェーダープロセッサ数が効いた結果となった。CUDAを用いたGPGPUのおいては、中途半端なローエンドクラスのQuadroより、エントリークラスのゲーミングGPUのほうが高速に処理できている事がわかる。

実際のゲームプレイ時のFPS比較・ゲーム性能

ここからは実際のゲーミングでの動作を見ていく。最新のプレイステーション4・XboxOne世代のフルHDゲーミング性能と、数年前のPS3・Xbox360世代の4KゲームのFPSを計測してみた。

4年目のミドルレンジGPU「GTX960」は現在のゲームでもプレイ可能なのだろうか。

*RX580=8GB、RX570=4GB、RX560=4GB

PS4・XboxOne世代のゲーム:1920×1080

バトルフィールドV

最新のバトルフィールドでもGTX960はGTX1050Ti、RX560とほとんど互角だ。最高画質で60フレーム安定は厳しいが、画質オプションを多少調整することで、コンシュマーゲームを超える画質と高いフレームレートでプレイする事ができる。

Witcher3 (ウィッチャー3)

ここからはエントリークラスからミドルレンジ帯に絞って比較していく。

今世代RPGの最高峰ウィッチャー3。ここでもGTX1050Tiに迫る性能で、RX560を明確に上回る。相応に負荷の高いソフトなので、フルHDでも画質オプションの調整は必須だ。60フレームを目指すのであれば、GTX1060クラスは欲しい。

For Hornar (フォーオナー)

GTX960の平均フレームレートはGTX1050Tiと比較しても遜色はないが、ボトムフレームが何故か低い。とはいえ、画質オプションを適切に調整すればフルHDも60フレーム安定も射程圏内だ。

DarkSouls3(ダークソウル3)

60フレームが上限となるダークソウル3。GTX960はGTX1050Tiをわずかに上回るパフォーマンスを示しているが、最高画質ではギリギリ60フレーム安定に届かない。若干の画質オプション調整を行うことで60フレーム安定するので実用上は問題ないだろう。

Batman Arkm Knight (バットマン アーカム・ナイト)

PS4世代でも比較的初期タイトルとなるバットマン アーカムナイト。フォーオナーと同様でボトムフレームの落ち込みがPascal世代のGPUと比較すると大きい。何らかの新命令に対応してない事がボトルネックとなっているのかもしれない。

PS3、Xbox360世代のFull HDゲーミング:3840×2160

ここからは前世代にあたるPS3、Xbox360とのマルチタイトルゲーミング性能を4K設定で見ていく。

METAL GEAR SOLID Ⅴ (メタルギアソリッドV-グラウンド・ゼロズ)

メタルギアソリッドシリーズの事実上の最終作シリーズとなる「V」の導入作品。GTX960のGPU性能では30フレームを維持するのが精一杯だ。4Kで60フレームを維持するには画質の妥協が必要となる。

LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII(FF13 ライトニング リターンズ )

JRRGの代表作FF13のスピンオフ作品。古いアーキテクチャに最適化されているのか、GTX960は60フレームで安定している。Steamでも低価格でリリースされている事が多いので、PCならではの高画質・高解像度でのプレイするのも悪くない

BioShock Infinite (バイオショック インフィニット)

上限フレームがなく、CPUもボトルネックになりにくいため、GPU性能の地力が出るバイオショック3。GTX960,GTX1050Ti,GTX760は殆ど横並びで、高画質では30フレームがターゲットになる。60フレームを狙うなら相応の画質の妥協が必要だ。

Tomb Raider 2013(トゥームレイダー2013)

PS4との縦マルチとなるタイトル。これもGTX960,GTX760,GTX1050Tiは殆ど横並びだ。Kepler世代のGTX760が予想以上に検討しており、少し古めのゲームであれば、アーキテクチャも古い方が有利に働くケースもあるようだ。

Skyrim(スカイリム)

オープンワールドRPGの代表作。負荷の高い箇所で若干のフレームの落ち込みが発生するが、GTX960は十分60フレームをターゲットにゲームプレイが期待できる。ここでもGTX760の健闘が光る。

実ゲームにおいてもGTX1050Ti相当の性能を維持

「Geforce GTX960」は実ゲームにおいても、最新エントリーGPUの「GTX1050Ti」と殆ど同等の性能を示した。一部のゲームにおいてはボトムフレームレートの落ち込みが目立つタイトルもあったが、特定のグラフィックオプションを調整することで解消する。フルHDで最高画質に拘らなければ、十分60フレームでのゲーム体験も視野に入ってくるだろう。

PS3世代のゲームは最高画質で4Kは厳しいが、グラフィックオプションを適切に設定することで何とか4K60フレームで遊べるタイトルも多い。フルHDであれば、高リフレッシュレートのゲーミングモニタを用いたゲーミングも視野に入って来そうだ。

GPUクロック、温度、GPUクーラーの挙動

GPU-Z情報

GPUコアは「GM206」で製造プロセスは28nm。Samsung製のメモリを搭載と表示されている。OpenCL,CUDA,PhiyX、DirectComptuteと一通りサポートされている。メモリ容量が4GBでVRAM不足でフレームレートが大きく落ち込むことも少ない。

GPU-Z アイドル時と高負荷時の挙動

以下はアイドル時と高負荷時のGPU-ZのSensors情報。

高負荷時のコアクロック・GPU温度・ファンスピードの推移

下記のグラフはゲーム起動後から終了までのGPUコアクロックと温度。Pascla並のクロックとはいかず、概ね1350Mhz前後で推移する。GPU温度は60度台で推移しており、冷却能力は十分だ。GPU温度が60度をファンスピードは20%に留まるが、サイレントモードにすることで0%まで低下する。

消費電力比較

ここからはGTX960の電力消費量にスポットを当てて見ていく。TITANをスライドさせたハイエンドGPUのワットパフォーマンスは2018年現在許容できるものなのだろうか。

システム全体の消費電力のリアルタイムログが以下。(左:アイドル 右:フルロード)

アイドル時のシステム全体の消費電力

最近のGeforceはアイドル時はクロック制御によって消費電力が低く抑えられる。Pascal世代の「GTX1000」シリーズには負けるが、許容範囲といっても良いだろう。

高負荷時のシステム全体の消費電力

高負荷時は流石に消費電力も高く、プロセスが微細化した最新GPUと比較すると1段高い値を示している。GTX1070並とまではいかないが、それに近い消費電力に達すると見たほうが良いだろう。

「Geforce GTX960」レビューまとめ

性能はGTX1050Tiと互角。消費電力はGTX1060以上

2015年のミドルレンジとなる「GTX960」は、エントリークラスの「GTX1050Ti」と殆ど同性能となり、消費電力はGTX1060以上GTX1070未満となる。1日数時間ゲームをプレイするような時間のあるゲーマーなら電気料金が気になるところだが、社会人であれば1日何時間も時間を確保する事は困難だ。気にするレベルの料金差ではないだろう。

ビデオメモリは4GBモデルであれば、現行のゲームにおいてターゲットとなる画質と解像度ではボトルネックになる事もない。しかし、2GBモデルの場合はフレームレートが落ち込む局面も多くなるので留意は必要だ。

2019年もエントリーレベルの性能は維持

「GTX960」は2019年においても、ギリギリエントリークラスの性能は維持しそうだ。フルHDで画質オプションを適切に設定することで、コンシュマーゲーム以上のFPS、又は画質で現行ゲームを十分体験できる。画質・FPS両方を高い水準を望むのは厳しいので、割り切りは必要だが、新しいグラフィックボードの価格がこなれて来るまでの「繋ぎ」として利用する分には悪くないのかもしれない。

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