関西の3大都市の1つに数えられる神戸。近年は人口が減少傾向にあるが、150万人を越える政令指定都市だ。オシャレな港町というイメージがある神戸だが、この街にもゲームやアニメ・マンガといったオタク層をターゲットにしたショップが密集するサブカル・オタク街は存在する。
今回はKOBEのOTAKUの聖地、三宮センタープラザ・サンプラザ界隈を紹介していく。
ゲーム・アニメ・マンガ・フィギュアの店舗が多数密集する三宮のオタク街
神戸のオタクエリアは中心都市三宮にある。オタク街というよりオタクビルといった様相で、関東の人には「中野ブロードウェイ」の様な場所・・と伝えればピンと来るかもしれない。
さんプラザ・センタープラザ・センタープラザ西館の3つの建物に渡って、ゲームやマンガ・アニメ・コミック・フィギュアなどを扱ったオタク・サブカル系の店舗が多数密集展開されているオタクエリアだ。
震災以前はセンタープラザ西館の旧アニメイト三宮店と少数のゲームショップ・TRPGショップ程度のだったが、震災以降、テナントの空きが目立った場所にアニメイトの集客力を糧に2000年代にオタク系店舗が多数出店されるようになった。
2010年代も店舗数は増し続け、現在は西館だけでは収まらなくなり、センタープラザ本館まで店舗が増殖している。ショップのバラエティも豊かで、オタク系の買い物であれば殆どが揃う充実度となってきた。
現時点では秋葉原や大阪オタロードと違って、一般観光客・外国人観光客は少なく、どちらかというと神戸オタクっ子の御用達エリアと言えるだろう
三宮センター街に位置するロケーション
名称は定まっていない神戸のオタクスポット
さて、この神戸・三宮に位置するオタクスポットだが、大阪の「オタロード」の様な定番の名称はない。「三宮のオタクビル」、「三宮のオタク街」、「オタプラザ」、「オタクストリート」、「神戸オタクロード」など人によってバラバラだ。
公式名称があれば便利だが、神戸・三宮という観光都市の中心である「センター街」や「センタープラザ」ビル事態のイメージもあり、オタクを全面的・大々的に扱うのは厳しいのかもしれない。
また神戸・長田の「アニメストリート」の町おこしが頓挫した現在、神戸市民のアニメに対する観光効果のイメージは決して良くないと思われる。
三宮駅から徒歩数分という好立地条件
この神戸のオタクエリアはJR・阪急・阪神・地下鉄の「三宮(三ノ宮)」駅から西へ徒歩数分程度の場所に位置している。立地条件は非常に良いが、ビルの内部に集積しており、一般の人の目には付きにくい場所にある。
初めての人は駅前の通りとなっている「センター街」を歩いていくと分かりやすい。センター街は神戸らしく靴やファッション・スイーツのお店も多く、週末には多くの人で賑わう神戸の中心街だ。
この通りを三ノ宮から元町駅方面(東から西)に歩いていくと唐突に、ゲーマーズの看板やボークスによるフィギュア・ドールなどの看板が上空に現れる。普通に歩いてる観光客は気づかないだろう。
外見からは、アニメ系のショップが1,2店舗あるだけの様に見えるのでスルーしてしまいそうだ。スマホなどの地図検索で訪れる場合は「アニメイト三宮店」を目印にナビすると分かりやすい。
「さんプラザ」と「センタープラザ西館」に分布するオタク店舗群
以前は「センタープラザ西館」のみに展開されていた神戸のオタク街だが、現在はオタク系店舗数の増加や拡大にあわせて、「センタープラザ」(本館)「さんプラザ」にも店舗が展開されている。
アニメイトを中心とした店舗が点在する「センタープラザ」(本館)にはボークスなど比較的面積が大きい店舗が展開されており、現在はその集客力を糧に小型店舗も徐々に増えつつある。
「センタープラザ西館」は多くの小型店舗が密集しており、雰囲気は前述したとおり東京の「中野ブロードウェイ」に近い。ビル事態が50年近く経っている事もあり、照明は薄暗く、アングラ感が漂う。
アニメイトを中心とするアニメ系ショップ群
ここからは各ジャンル別に代表的な店舗を見ていこう。まずは、神戸のオタクエリアの始祖とも言える存在の「animate三宮店」。元々は「センタープラザ西館」に構えていたが、店舗エリアの拡張にともなって、「センタープラザ本館」に移動している。
アニメイトお得意のアニメグッズは勿論、書籍、DVD、ブルーレイと多岐にわたる。ジャンル的には女性客向けのラインナップに強く、平日・休日とわず神戸のオタク女子・腐女子で賑わう。
とはいえ、近年のオタク女子は服装やルックスにも気を使っている子が多いためか、西館時代のアニメイト三宮店にあった独特の雰囲気はない。
アニメイトカフェも設営されており、期間限定のコラボフードやドリンクを楽しみながら、歓談できる。基本的に女性客がメインで男性客は皆無だ。
曇りガラスや観葉植物で周囲からは内部が除きにくい様に配慮されているが、空間はオープン型で初見でも入りやすい雰囲気となっている。
2017年2月に「アニメガ」三宮店も新規出店している。ラブライブのパネルが前面に出ているが、こちらも女性客向けの商品も強く、男女問わず楽しめるオタク店だ。
勿論男性オタク向けに強いのオタク・アニメ系店舗も多数出店している。西館の「とらのあな」や「メロンブックス」といった同人誌に強いオタク店舗も揃っており、所謂、美少女アニメ・ゲームといった方面も一通りカバーしている具合だ。
センター街から見えるゲーマーズはメディア系のグッズが充実しており、とくに声優関連に力を入れて差別化を図っている様だ。
TVゲーム・レトロゲーム系店舗
「さんプラザ」には関西一体に店舗を展開するチェーン店「おじゃま館」があり、昔ながらのコンシュマーゲームをメインとした貴重なゲームショップだ。最新のゲームからレトロゲームまで充実した品揃えで、ゲーマーなら三宮センター街を訪れた際には足を運んで欲しいお勧めの店舗である。
「センタープラザ西館」には 中古レトロゲームを中心とした店舗が並ぶ。ファミコンやメガドライブ・PCエンジンといった懐かしのゲーム機、ソフトがメインだ。
比較的レア度の高いゲームもショーケースに収められている。コレクション目的で、直接状態を見て判断したい場合は重宝するだろう。
センタープラザには兵庫県内でチェーン店を積極展開している駿河屋が進出している。ゲームショップが減少気味だった三宮界隈の新しい顔になりつつある。
駿河屋は現在合計で3店舗展開されており、関西一体で一番勢いのある中古オタク系ショップといっても良いだろう。三宮では各店舗でジャンルを特化させ、特色を出そうとしているようだ。
BL・乙女ゲー・男性向けゲーム
乙女ゲーや男性向けゲームに強い専門ゲームショップアリスネットもある。以前は一般ゲームを普通に扱っていた店舗が、同じ場所に存在していたが いつのまにか変化している。
アニメイトが近い影響かBL・乙女系のゲーム・同人誌・DVDなどをメインに扱う店舗も少なくない。店舗は狭いがオタクの中でも更に細分化されたジャンルを扱う。オタク系の店舗が増加するに従って大型店舗との住み分けが出来つつ在る。
最近では駿河屋も女性向けに特化した2.5次元分野のサテライトショップを展開している。
フィギュア・プラモデル・模型
フィギュア・プラモデルを多く扱うボークス 神戸ショールームが出店しており、美少女フィギュアからアクションフィギュア・ガンプラ・ドールなど品揃えは充実している。店舗面積も広く、ネットと違って実物を見て買い物できる強みは大きい。
展示物も充実しており、神戸ならではの作品も並ぶ。フィギュアやプラモデルに詳しくなくても見るだけで楽しめる。
硬派なプラモデルや昔懐かしのZOIDSの復刻シリーズなども揃えており、世代を超えて楽しめるショップとなっている。
ボークスの目の前の文具店では、フィギュアの展示用のグッズが充実している。商売上手だ。
鉄道模型にフォーカスを絞った「ぽち」も出店しており、KATO、TOMIXなどの各種ゲージを取り揃えている。
パソコン・自作PCパーツ
PCショップはドスパラが出店している。店舗の入り口はライトな客層を狙ったスマホグッズがメインだが、奥には自作PCパーツやショップブランドのデスクトップPCが並んでいる。
グラフィックボードは自社で展開しているPalitと玄人志向がメインだ。基本的には価格は少し相場より高めだが、Palitの製品はネットの価格と同等か稀に以下の価格セールも行っている。一部マザーボード・グラボの展示も行っているので相応に自作PCパーツの販売にも力を入れている神戸でも貴重な店舗だ。
中古のCPUやメモリも扱っており、一応VRの体験もできる。ただし面積が小さいため、着座・立位が限界だ。htc VIVEなどのルームスケールVRの醍醐味は味わえないが、PCVRのお試し程度は確かめられる。
モデルガン・モデルカー・昭和レトロショップ群
エアガンやサバゲー関連のガンショップも存在する。輸入フィギュアや刀のレプリカなども扱っており、特撮系のフィギュアなどジャンルは多岐にわたっている。
モデルカー・ミニカー・F1グッズを扱う専門店「FORZA」。サンプルモデルカーが綺麗にディスプレイ・ライティングされており、見ていて飽きない。ダークレッドを貴重とした店でお洒落だ。
センタープラザの最西エリアには昭和レトログッズなどを扱った店舗もある。基本的に西側がマニアックな店舗が増える感じだ。小さなショップが多く、ここでは全ての店舗は紹介しきれない。
マンガ・コミック
マンガ・コミックを扱っている店舗はセンタープラザ内にもあるが、渡り廊下で反対側のビル店舗に直結しているジュンク堂3Fもアニメ・ゲーム・コミック系の扱いが大きい。
マンガや同人誌の創作系のノウハウ本も多数揃えている。4FにはPC関連の書籍も充実しているので、デジタル派はこちらもチェックしておきたい。
イエローサブマリンの隣に古くからコミックを中心に店舗をかまえる「ギルド(Enjoy space Guild)」は、ゲーム・アニメ・コミックが凝縮され揃っている。
グループSNEの拠点が近いためか、TRPG関連の書籍が古くから充実している。
コミック系専門のリサイクルショップ「まんらく」は震災前にアニメイトが西館に合った時代からの歴史の長い店舗だ。(経営が変わっていなければ)。一般コミックだけでなく、少量だが同人誌・DVDなども扱っている。発売週の週刊誌が格安で手に入れらる。
トレーティングカード・TRPG・ボードゲーム
ロードス島戦記・ソードワールドRPGなどで有名なグループSNEが三宮に拠点を構えていた背景もあり、昔はTRPG・ボードゲームも盛り上がっていた。現在はTCGメインでデュアルスペースも備えており、大会が頻繁に開催されている様だ。
拠点となるイエローサブマリンの集客力を狙って周囲にはトレカ専門のレンタルショーケース店舗なども構えている。大型店舗に周りに衛生の様に小型店舗が増殖していくパターンで神戸のオタク街は拡大している。
プライズ・ゲームセンター・レンタルケース
拡大する三宮のサブカル・オタクショップだが生存競争は厳しい。空き店舗エリアになった場所の多くはレンタルケース点やゲームセンター・アミューズメントセンターに変わりつつある。
オタク系なら何でも扱う中古販売メインの器用貧乏な店は、大型店舗との差別化が難しく寿命が短い。ある人気ジャンルに特化した、ディープな店舗が生き残りつつある。ディープな店主にディープな固定客層が集まってくる感じだろうか。
献血もオタクモード
センタープラザ内に昔から居を構える「献血ルーム」もオタク層をターゲットに絞ったキャンペーンを継続している。古くは涼宮ハルヒなども展開しており、オタクの血によって多くの命が救われてる事を踏まえると素晴らしい。
献血キャンペーンによってはオリジナルコラボグッズもプレゼントされるようだ。社会貢献しながら、限定レアグッズも貰えるので興味のある方は赴いてはいかがだろうか。
拡大する神戸オタク街
1990年台はセンタープラザ西館で局所的に店舗を構えていた神戸オタク街だが、2010年台に入り急速に範囲を広げ、現在はセンタープラザ一帯に拡大しつつある。近年では神戸にも外国人観光客が徐々に増えてきており、そういった新しい客層をターゲットにした店舗も増えて来たようだ。
またオタク層の拡大と高齢化で親子2代で楽しめるジャンルも増えており、もはや一部のディープな客層のみが集まるエリアではなくなりつつある様だ。今後は神戸の新しい観光地として広がっていくかもしれない。
近隣・最寄りの観光地
オタク街から300mほど西に足を伸ばすと神戸の観光地の1つである「南京中華街」がある。横浜の中華街と比較すると規模は小さいが、観光地に特化した街で、一箇所に店舗が集中しており、食べ歩きは楽しみやすい。
中華街から南の海の方向に足を伸ばすと、神戸の観光地の象徴として取り上げられる事が多いメリケンパークに出る。神戸外から観光を兼ねて来てるなら、そのまま歩いていける距離だ。
メリケンパークに隣接するハーバーランドと呼ばれる商業施設にはソフマップ神戸店が出店している。自作PCパーツの扱いも多く、稀に特化品もあるので立ち寄ってみるのも良いだろう。
神戸オタクショップ群エリア アクセス
・JR三宮駅下車 西へ徒歩5分