2019年の「GeForce GTX 660」レビュー。Keplerのミドルレンジを最新GPUとベンチマーク比較

「GTX660」は2012年9月発売のKeplerアーキテクチャのミドルレンジエントリーGPUだ。前世代のハイエンド並の性能を低価格・低消費電力で実現したことから好評だった。流通量が多かったことから2019年現在でも中古市場で多く見かける。

今回は7年目を迎えるミドルレンジグラフィックボードをレビューしていく。GTX660は最新GPUと比較すると、どの程度の性能なのだろうか。

「NVIDIA Geforce GTX660」の仕様

失敗のFermiから一転。大成功となったKeplerアーキテクチャ

GTX660はKeplerアーキテクチャを採用した2012年発売のミドルレンジGPUだ。前世代のFermiアーキテクチャが失敗に終わり、Radeon勢から猛追されていた状況の中、2012年にKeplerアーキテクチャの「GTX600」シリーズをNVIDIAは投入。高いワットパフォーマンスと性能を両立し、高評価を得て市場シェアを一気に取り戻す結果となった。

GTX660も低価格ながら、当時のゲームをプレイするには十分の性能を持っており、人気を博した。直近のローエンドGPUと比較すると、メモリはGDDR5で2GBと同等。シェーダー数は「960」と多いが、プロセスルールが28nmという事もあり、消費電力は高い。

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現行ローエンド、エントリーモデルとの価格差

GTX660は流石に新品流通はなく、現在入手する手段は中古流通となる。ロープロファイルなどの付加価値が高いGTX750Tiと比較すると安く入手しやすく、最新のTuring世代が発売されると更に値下がりが加速している。

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外観・形状の特徴

「N660GTX Twin Frozr III OC」レビュー

今回レビューに用いるグラフィックボードはMSI社の「N660GTX Twin Frozr III OC」。当時、GTX660の中でも最安値を誇りながらも、冷却性能も悪くなく、見た目もアルミカバーで高級感があり、人気の機種だった。


MSI N660GTX Twin Frozr III OC BIO クーポン限定版(amaozn)

インターフェース形状:PCI Express(3.0) x16
ベースコア・ターボクロック:1033 MHz/1097MHz
メモリデータレート: 6008 MHz
ビデオメモリ:GDDR5 2GB
映像出力:mini‐HDMI1.4a×1/DVI-I×1/DVI-D×1/DisplayPort1.2×1
補助電源コネクタ:なし
専有PCIスロット:2スロット
カードサイズ:235mm x 125mm x 35.8mm


8mmヒートパイプ、銅製ヒートシンクを採用。8cmのGPUファン2機による「Twin Frozr III」を採用している。専有PCIは2スロットとなる。

サイズ比較

リファレンスデザインのGTX780とのサイズ比較。2GPUファンながらもショートサイズという事もあり、カード長は短く、コンパクトPCでも利用可能なケースは多い。

旧型モニタ仕様の映像端子構成

「HDMI」はVer 1.4aなので4K(3840 × 2160)だとリフレッシュレートは30hzに留まる。しかしDisplayPortは1.2に対応しており、4Kでも60hzが表示可能だ。古いグラフィックボードながらも最新の高解像度モニタの性能を引き出すことができる。

「Twin Frozr III」のクーラー

GPUファンは直径8.0cmの「Twin Frozr III」冷却ファンを2つ搭載。TDP115Wを冷やすには十分異常の冷却能力を備えている。

補助電源・バックプレート

補助電源はリファレンスどおりの6ピン×1となる。電源容量も推奨の450W程度は欲しい。

この世代のミドルレンジはバックプレートを持たない機種が殆どだ。重量も軽く、中古で入手する事を踏まえると気にする部分ではないだろう。

ゲーム系ベンチマーク

では「Geforce GTX 660」のゲーム系ベンチマークを見ていこう。7年目のミドルレンジGPUは2019年現在、どのようなポジションに位置するのだろうか。

3DMARK TimeSpy 

最新のDirectX12ゲーム性能を図る「TimeSpy」。GTX660はローエンド以上、エントリークラス以下といったポジションに収まっている。DirectX12に強いAMDのCPU内蔵グラフィックであるAPU「Ryzen 2200G」「Ryzen 2400G」に肉薄されているが、まだ追い抜かれはいない。

3DMARK  Firestrike Full HD

現在主流のDirectX11のゲーム性能を図るフルHD「FireStrike」。ここではローエンドクラスに大きな差をつけており、現在のエントリーGPU寄りの性能を示している。960個のシェーダー数が聞いてる様子だ。

FF15クラスのベンチマークだとGTX660では荷が重い。最高画質では「動作困難」判定となる。しかし、RadeonのエントリーGPU税を上回る性能を示しており、7年前のミドルレンジGPUとしては大健闘といったところだろう。 

FF15ベンチも画質設定を軽量にすると「普通」判定を得ることができた。GPU性能的にはPS4と大差ないことから、PS4世代のゲームであれば画質オプションを調整する事で遊べることが期待できる。

FF14ベンチマーク 紅蓮の解放者

PS3世代の古めのゲーミング性能を図るFF14ベンチ。ここでも最新のRadeon勢と比較しても全く遜色のないスコアをGTX660は示している。このクラスのゲームであれば、解像度を適切に設定する事で画質を維持しつつ、十分快適に遊ぶことが可能である事が伺える。

国産ライト ネットゲーム 4Kベンチマーク

ここからはエントリーモデルで需要の大きい国内ネットゲームのベンチマークを見ていく。

ドラゴンクエストX ベンチマーク

左:FullHD最高画質 右:4K最高画質

DirectX9ベースということもあり、古いアーキテクチャの方が有利なのか、他のベンチマークと比較してもGTX660は相対的に高い生成を残している。最新のRadeonのエントリークラスを追い抜き、比較的新しいGeforceのエントリーGPU「GTX1050」に肉薄する健闘を見せている。

ファンタシースターオンライン2 設定6 ベンチマーク

ここでも最新のRadeon勢を圧倒しており、TimeSpy等で肉薄されていたAPU「Ryzen 2200G」「2400G」の3~5倍のスコアを見せている。dGPUの底力を見せた形となった。

VRベンチマーク

VRMark

GTX660では流石にVRは荷が重く、基準点となる5000には全く届いてない。VRが目的であれば、最低でもGTX1650やGTX970程度のGPU性能がほしい。

SteamVR Performance Test

現在のVRゲームの標準となるStemaVRのパフォーマンステスト。「使用不可」判定で、90フレーム以下のフレームが78.5%を占める。GTX660でVRは素直に諦めたほうが良さそうだ。

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実際のゲームプレイ時のFPS比較・ゲーム性能

ここからは実際のゲーミングでの動作を見ていく。最新のプレイステーション4・XboxOne世代のフルHDゲーミング性能と、数年前のPS3・Xbox360世代のゲームのFPSを計測してみた。

PS4・XboxOne世代のゲーム:1920×1080

アサシンクリード オデッセイ

現行のゲームでも重量級のアサシングリード オデッセイ。GTX660は最高画質では20FPSを下回り、プレイ困難だ。現行機のエントリークラスでも大差ない状況なので、止む終えないだおる。ただ、GTX660でも画質設定を調整すれば平均30FPSも視野に入ってくる。

Witcher3 (ウィッチャー3)

現行機のオープンワールドRPGの代表作「ウィッチャー3」。GTX660は最高画質でも30FPSに近い値を示す。画質オプションを調整すれば十分プレイ可能な範囲に収まっている。現行エントリーモデルのRX560に近い性能を示しており、最新ローエンドクラスを上回る結果となった。

For Hornar (フォーオナー)

ビデオメモリ2GBが大きな壁となっている「For hornar」ベンチマーク。GTX660も同様でGPU性能の前にビデオメモリがボトルネックとなってFPSが伸びきれていない。とはいえ最高画質でも平均30FPSを超えているので、画質オプションを調整することでプレイ可能だ。

DarkSouls3(ダークソウル3)

GTX660は最高画質でも平均45FPSを維持しており、PS4以上の画質でそれ以上のフレームレートで遊ぶ事が期待できる。画質オプションを調整する事で60FPSでのゲーミングも視野に入ってくる。

Batman Arkm Knight (バットマン アーカム・ナイト)

ここでも2GBのビデオメモリがボトルネックとなってフレームレートの伸び方がGTX660は鈍い。平均30FPSは維持できているので、画質オプションを微調整して2GB以内に納めればフレームレートは一気に伸びる。

PS3、Xbox360世代のゲーミング:1920×1080

ここからは前世代にあたるPS3、Xbox360とのマルチタイトルのフルHDゲーミング性能を見ていく。

METAL GEAR SOLID Ⅴ (メタルギアソリッドV-グラウンド・ゼロズ)

小島監督によるメタルギア・ソリッド最終作品の序章。GTX660のGPU性能があれば、High画質で60FPS安定でプレイ可能だ。画質オプションを調整してさらなる高画質グラフィックも視野に入ってくる。

BioShock Infinite (バイオショック インフィニット)

上限フレームがなく、CPUもボトルネックになりにくいため、GPU性能の地力が出るバイオショック3。ここでは最小FPSも見ていこう。GTX660は現行ローエンドやミドルレンジと同様にフレームレートは安定しており、このクラスであれば画質、フレームレートの両立が可能である事が伺える。

現行タイトルなら30FPS、数年前なら60FPSでプレイ可能

「Geforce GTX660」は現行のタイトルは、画質オプションを適切に調整することで30FPSをターゲットにプレイ可能だ。2GBのビデオメモリがボトルネックとなる特性を理解しておけば、フレームレートと画質オプションを詰める事で、GTX660のGPU性能を更に引き出すことが出来る。

PS3、Xbox360世代のマルチタイトルであれば、「GTX660」の性能があれば最高画質でも60FPSで快適にプレイする事ができる。Steamでセール中になっている数年前の名作をプレイする程度であれば、コンシュマー機器では体験できない高画質+高フレームレートで遊ぶ事が可能になってくる。

GPUクロック、温度の挙動

GPU-Z情報

GPUコアはKepler第1世代の「GK106」。ビデオメモリは2GBでGDDR5でHynix製と表示されている。製造プロセスに28nmを採用。

GPU-Z アイドル時と高負荷時の挙動

以下は高負荷時のGPU-ZのSensors情報。

高負荷時でも60度を下回るGPU温度を維持しており、静音性も高い。

消費電力比較

ここからは「GTX660」の消費電力にスポットを当ててみていく。

システム全体の消費電力のリアルタイムログが以下。(左:アイドル 右:フルロード)

アイドル時のシステム全体の消費電力

最近のビデオカードはアイドル時はクロックを下げて消費電力も抑えられている。GTX660も最新GPUと遜色のない程度に消費電力はセーブされている。

高負荷時のシステム全体の消費電力

GTX660は現行のミドルレンジGPUと同じ程度の消費電力といったところだ。流石に最新のGPUと比較するとワットパフォーマンスは遅れをとる様だ。

電気料金比較

以下は「1日3時間、GPU負荷100%でゲームを1年プレイした」と想定した場合の年間電気料金の比較。ローエンドからミドルレンジクラスであれば、その差は微々たるものだ。実際には毎日3時間もゲームをプレイするケースは稀なため、差は更に小さくなる。

「Geforce GTX660」レビューまとめ

現行ローエンド~エントリークラスの中間相当の性能

GTX660は現行のローエンドからエントリークラスの丁度中間に位置するGPU性能を現在も維持しているようだ。PS4とのマルチタイトルゲームであれば、画質オプションを適切に調整することで30FPSをターゲットにプレイ可能となる。Steamでセールが行われる数年前のゲームを遊ぶ程度なら、知識があれば実用の範囲内で使えるGPUという結果となった。

ロープロファイルや1スロット、電源容量の縛りがあるなら、現行のローエンド~エントリークラスのGPUを選ぶのが最適解となる。しかし、その縛りがなく、用途が明確であれば中古市場に並ぶ格安グラフィックボードという選択肢も悪くないだろう。

最新のハイエンドGPUを触るのも楽しい。しかし、少し古めのGPUを工夫して利用するのもまた楽しい趣味といったところだ。

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